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住宅の間取り「LDK」はもう古い。「KDL」がいちばん便利である理由

日刊SPA! / 2024年4月21日 8時53分

◆キッチン様式の最適解は「アイランドキッチン」一択

キッチンを家族のコミュニケーション・ツールとするため、具体的に押村はどんな設計を用意しているのか。

「僕もこれまであらゆるタイプのキッチンを使ってきましたが、結論は島のように独立したアイランドキッチン一択です。料理している人のまわりで渋滞が起きないように動線が自由に確保できるからです。また、天板をカウンターとして利用するために大きくして、スツールを置けるスペースを設けています。ダイニングやリビングとは別に家族が座れるスペースをキッチンに設けることで、キッチンは炊事や調理だけの設備ではなく、コミュニケーションの場として生まれ変わります。一方、キッチンの奥が行き止まりで冷蔵庫やパントリーがあると、調理をする人と冷蔵庫に行きたい人で渋滞が起きて不便です。壁付き型キッチンや、ペニンシュラキッチンなどの場合は、閉塞感がさらに増してしまうでしょう」

押村によれば、日本のキッチンに家族が集いにくかった背景には、文化的な歴史があったのだという。

「多湿な環境下であったことから、日本の炊事場は母屋から離れた場所、カビにくい土間などのうえにつくられてきました。キッチンを家の奥まったところに設置しようとする発想は、その名残りだと思います。しかし、現在は古い慣習に固執する時代ではありません。女性が奥に閉じこもり、男性たちの料理をつくるという役割分担は終わりました。家族全員でキッチンを思う存分、楽しんでもらいたいです」

料理をつくるだけの場所から、家族が語らう団欒の場所へ。LDKをKDLへと再定義すれば、家づくりは大きく進化していくだろう。

〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉

【押村知也】
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』

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