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4月末で廃止になる“世界で唯一の公共交通機関”に乗ってみた「遊園地のアトラクションに乗った気分」

日刊SPA! / 2024年4月30日 8時53分

 これだけ住民がいれば採算が取れそうな気もするが、11年に小学校が住宅団地内に開校したことで利用者が激減したらしい。以前は小学校まで遠かったため、児童たちは登下校にスカイレールを通学の足として使っていたからだ。

 また、偶然乗り合わせた近くに住む年配女性によれば、JR瀬野駅まで家族に送り迎えしてもらったり、自転車を使っている住民も少なくないようだ。自転車だと帰りがひたすら上り坂で相当キツそうな気はするが……。

 話をしているうちにスカイレールは、アッという間に終点のみどり中央駅に到着。駅の隣には、訪問時は開業前だったがEVバス用のバス停があり、その奥には車庫が見える。

◆車両は広島市が保存・展示する可能性も

 みどり中央駅周辺は住宅街で特に見る場所もなかったため、みどり口駅に戻ることに。ただし、少し時間に余裕があったので歩いて降りることに。みどり中央駅からはレール下に階段が続き、100mほど降りると公園がある。

 ここは地域でもっとも大きな中央公園で石の壁や柱が規則的に並び、ほかにもストーンサークルのような場所もある。どこか遺跡のような雰囲気を漂わせて面白い。公園からも周囲の山々がよく見えるため、歩いているだけでも気持ちいい。

 公園を過ぎると約300mでみどり中街駅に到着。疲れてしまったので同駅からはスカイレールにで戻ったが、ヨソ者の筆者にとっては遊園地やテーマパークのアトラクションにでも乗った気分だ。

 開業から26年での廃止は、短い気もするが採算が取れない以上は仕方ない。二度と乗れる機会が訪れないのは悲しいものだが……。

 なお、運営会社のスカイレールサービスは、4月19日に車両の保存・展示に関する要望書を広島市に提出。現時点ではどうなるかは不明だが、世界唯一の資料価値の高い乗り物だけに何かしらの形で残してもらえることを祈りたい。

<TEXT/高島昌俊>

【高島昌俊】
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

―[シリーズ・駅]―

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