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37歳女性が目指す“寿司職人”の新境地。子育てとの両立は大変でも「子供の存在がパワーに」

日刊SPA! / 2024年5月2日 15時53分

 岩井さんは6期生として鮨アカデミーへ入学。全13名のうち、唯一の女性として寿司職人の基礎や心構えを学習した。

「シャリの仕込みや魚の捌き、握りなどをひたすら学びました。自分は不器用、で、人の倍はやらないと身につかないと思っていたことから、必死に体に染み込ませようと頑張りましたね。

 ただ、アカデミーに入って一番良かったのは、『仲間との繋がりを得た』ことです。今でも連絡を取り合うなど、私にとってかけがえのない財産になっています」

 おにぎりと寿司の共通点は「ふんわりと握ること」と「一つひとつに愛を込めること」だと語る岩井さん。

 アカデミー卒業後、数ヶ月を経て「鮨銀座おのでら 総本店」へ就職が決まった。ここから寿司職人としての修行が始まる。

◆生粋の寿司職人から学んだ「覚悟」と「流儀」

 寿司職人の見習いとして、岩井さんが任されたのが「手子(テコ)」の仕事。

 カウンターの前菜や器物をセットしたり、お客様へのお土産を準備したりと、寿司職人をサポートする役目を担うポジションである。

 そんななか、入社後3日目に親方から「カウンターに立ってくれ」といきなり言われたそう。寿司職人を長年続ける先輩と、同じ空間に身を寄せることになった岩井さんは「かなりの“圧”を感じた」と振り返る。

 ある日、最も怖いと思っていた先輩と2人きりに……。

「それで、お前はいつ辞めるの?」

 先輩の言葉にはっぱをかけられた岩井さんは、負けず嫌いな性格ゆえに「辞めません!」とキッパリ言い放ち、“絶対に寿司職人になる”と本気のスイッチが入ったという。

「怖いと引け目を感じていた先輩が、いちばん教えてくれましたね。心に響いたのが『文句言われたくないなら、言われないような仕事をしろ』という言葉でした。やるべきことをきっちりする。与えられた仕事のプロフェッショナルになる。

 つまり、手子の仕事もろくにできない自分が、先輩から握りやさばきを教えてもらうこと自体、筋が通っていないわけです。だからこそ、血の滲むような努力をしないといけないと思いましたし、まずは目の前の仕事を完璧にこなすことを意識しました」

◆おしゃれは我慢し、体力勝負の毎日。女性ならではの苦労を乗り越えて

 休日も練習用の魚とシャリで寿司を握る練習を重ね、一人前の寿司職人を目指した岩井さん。どんなに辛いこと、悩むことがあっても、尊敬する先輩から助言をもらい、常にモチベーションの維持を心がけていたそうだ。

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