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「客室平均単価」が3年で3倍にも…“荒稼ぎするホテル業界”が稼ぎ時のGWを手放しで歓迎できないワケ

日刊SPA! / 2024年5月2日 8時53分

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 中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
 本格的なゴールデンウィークに突入し、高速道路や公共交通機関、観光地の混雑が本格化しました。コロナ禍で冷え込んだ国内の旅行マーケットは完全に回復しています。

 国内外の観光需要が盛り上がる中で、高騰しているのがホテルや旅館の客室単価。宿泊料金は2019年を上回る施設が続出する一方、需要の急増で人手不足という深刻な事情も抱えています。

◆なぜ「旅行単価」が下がっているのか

 JTBは、2024年のゴールデンウィークの国内旅行者数は前年比0.9%増の2280万人、平均単価は3.7%増の3万6100円になるとの調査を発表しました(2024年ゴールデンウィーク[4月25日~5月5日]の旅行動向)。

 2019年の同じ調査では、旅行者数が2401万人、平均単価が3万6800円。完全回復とまでは言い切れないものの、コロナ前の水準に近づいています。ただし、物価高に見舞われているにも関わらず、旅行単価が下がっています。その要因の一つに旅行日数の影響があるでしょう。

◆2021年の3倍程度にまで跳ね上がった「ホテルの宿泊料金」

 2024年は1泊2日の割合が37.7%。2019年は36.9%でした。旅行先に滞在する日数が減り、宿泊費や食事代などの予算が減っているのです。

 今年の旅行者でホテルの利用意向を示しているのは60.8%で、前年から7.9ポイント上昇。旅館は26.3%。9.2ポイント増です。

 更に海外観光客も日本に押しかけています。観光庁によると、2024年2月の外国人宿泊者数は1144万人泊。この数字は2019年同月比の1.2倍にものぼるものです。

 2月の時点でシティホテルの客室稼働率は70.1%、ビジネスホテルは72.2%。リゾートホテルでさえも54.2%に達しています。

 需要が急増したために宿泊施設の客室単価は高騰しました。東京ホテル会が公表している加盟250の2024年2月の客室平均単価は1万5543円。3月は1万8276円でした(「2024年3月 東京ホテル会 報告」)。これは2019年の同月の価格を6000円以上も上回るもの。2021年の価格の3倍近くまで高騰しているのです。

◆リベンジ消費にインバウンド消費が加わり…

 コロナで大打撃を受けたホテル業界は、力強く回復しています。ワシントンホテルなどを運営する藤田観光は、2023年度のホテル事業の営業利益が2019年度を上回りました。

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