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大阪王将「ナメクジ大量発生」投稿事件。“話題の告発者”から“被告人”になったワケ

日刊SPA! / 2024年5月4日 15時53分

 さらに店舗側の被害として、「本件投稿によって、投稿を見た第三者が被害店舗に電話するなど対応を迫られ、休業の後に閉店に追い込まれた」と指摘した。

 検察側は証拠として、市保健所の立ち入り調査の結果と駆除業者らの調書を提出。要旨の読み上げで、市保健所の調査結果には「ナメクジなどの目撃情報はある」や「冷蔵庫の間に3~4cmのナメクジを1・2匹見かけた。見つけたらすぐに取り除いている」、「月に一回、害虫駆除を依頼している」と店舗側が述べたことを明かしていた。

 要するに“ナメクジ”は発見されている。しかし「大量発生ではない」というのが検察側の主張だ。

◆被告人が裁判で語ったこと

 被告人は、現在別件で実刑判決を言い渡されて受刑中の身。法廷には刑務官らに連れられ、黒色のジャージ姿で現れた。

 冒頭の罪状認否の場面で、裁判官から起訴内容に争いはあるかと聞かれ、ハキハキとした声で「私は何らかの業務を妨害したことは認めますが、ウソの発言をしたことは認めません」と述べた。

 その後、弁護人は意見書を陳述。弁護人も「偽計業務妨害罪の成立は認めます。しかし、被告人は存在していない事実を存在しているように装ってはいません」と主張。検察側からは「無罪主張なのか」と問われる場面もあった。

◆弁護人に取材した結果

 だが、弁護人は無罪主張ではないという。閉廷後、傍聴人からは腑に落ちないという疑問の声があがった。そこで、筆者は弁護人を取材。弁護人は取材に対して、次のように説明した。

「偽計業務妨害罪の成立は認めます。弁護人としては、『偽計』にはウソをつくことだけではなく、たとえ投稿が事実であっても社会通念上許されない手段で告発したことも含むと考えています。本件の告発方法はSNS上であり、度が過ぎているため『偽計』の成立は認めます。ただ、起訴内容で読み上げられたウソとされる投稿については、被告人はウソをついていないと考えていますので、一部否認という形になりました」

◆内部告発者は保護されないのか

 今回は、「偽計業務妨害罪」での起訴。同罪は、人を欺く内容の「偽計」を用いて、業務を妨害する行為を成立要件としている。確かに、一連の投稿には証拠写真付きのものもあるが、そこに写っているナメクジは1匹ほど。検察側は、「大量にいる」と誇張して投稿した点が「偽計」に当たり、その嘘を利用してフランチャイズ契約の解除に至らせて金銭的な損害を与えたと判断して公判請求をした。

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