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留置場で「レクサスを買わないか」男が50万円騙し取った事件。被告人が語った“まさかの言い訳”

日刊SPA! / 2024年5月6日 8時53分

「(被害者とは)同じ罪名で捕まっていることに親近感があり、自分は薬物で捕まったのは今回が初めてだったので、色々とアドバイスしてくれました。その時に、お金を結構持っていると話していたので、(嘘を)話してしまいました」

 さらに、検察官からは「罪を犯して留置場に入っていることが分かっているのに、なぜその状況下で犯行をしたのか」という問いに対して、「経済的に困っていた。身勝手な犯行でした」とも振り返っていた。

◆裁判官も「たまたまタイミングが…」という言葉が腑に落ちず

 最後に裁判官から、数点だけ質問があった。ほとんどの質問が保釈金と詐欺の関係について。裁判官もAの「たまたま、タイミングが重なった」という回答に腑に落ちていないようだった。一方で、Aは「個人的に金銭トラブルがあって、(被害者にも)助けてやれたらやるよと言っていたので、甘えて騙してしまいました」と説明。やはり保釈金に充てる目的の犯行を否定していた。

◆検察官は「保釈金制度を蔑ろにするもの」と断罪

 被告人質問に続き、論告・弁論が行われた。

 論告で検察官は、「本件は前刑で勾留中の犯行であり、法規範軽視の甚だしいもの」で「留置場という密室空間で行われた卑劣な犯行」と指摘。さらに詐欺で得た金銭を保釈金に充てたことについて、「保釈金制度を蔑ろにするもの」と断罪。Aに対して懲役1年6か月を求刑した。

 一方で弁護人は、「本件は前刑の判決が確定する前の犯行である」と主張。前回の判決後、刑務所に服役したことを挙げ、「反省の態度を示しており、服役後には内定を受けていた会社へ就労する意向を述べている」として、寛大な処分を求め、結審した。

 被告人は最終陳述で「このことを忘れずに更生していきたいと思います」と更生の意欲を語っていた。留置場内での前代未聞な犯行。4月26日の判決公判で、懲役1年4か月の実刑判決が言い渡された。

取材・文/学生傍聴人

【学生傍聴人】
2002年生まれ、都内某私立大の法学部に在籍中の現役大学生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴にハマり、傍聴歴6年、傍聴総数900件以上。有名事件から万引き事件、民事裁判など幅広く傍聴する雑食系マニア。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行っている。

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