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26歳女性が“個人撮影モノ”に出演した悲しい背景「結婚1ヶ月で旦那が薬物所持で逮捕されて…」

日刊SPA! / 2024年5月7日 15時54分

 夫の突然の逮捕、非協力的で真剣に捉えようとしない義実家――寄る辺ない鹿賀さんがすがりついた藁は、孤独な人を待ち構える嗅覚を持っていた。

「だんだん私の服装や言葉遣いなどに干渉してきて、行為中にも『演技指導』が入りました。冷静になって考えればおかしいのですが、当時の私は彼と離れるのが不安でした。彼は突き放すような言い方をしてはまた何らかの口実を作って連絡してきて、私にとって忘れることのできない人になっていきました。私から別れを切り出したこともありますが、『挙動不審さがなくなれば同居人としてはほしい人材』と言い出して、結局もとに戻ってしまったり……」

◆義実家について話したがらない夫に「もやもやする」

 だが別れは存外すぐに訪れた。夫の出所が近づくと、男性は自然に連絡が途絶えたのだ。現在は杳として行方は知れないという。

「渦中にいるとき、自分では冷静なつもりでいるんです。でもどこか普通ではない判断を下していますよね。旦那は私に対していろいろなことを話してくれるのに、義実家のことはあまり話したがりませんでした。『アンフェアだな』と思う気持ちと、『話してくれたら支えたのに』という気持ちが混在しています。旦那の逮捕以降、心がもやもやして、すっきりしなかったんです。満たされない気持ちを抱えながらもがくと、人生って前進できないようになっているんだと思います」

 裏切られてどんなに傷ついても、時間は平等に過ぎる。本人さえ気づかないネガティブな感情を成仏させないまま突っ走れば、狡猾な人間に足をすくわれる。この春、刑期を終えた夫を迎えに行く鹿賀さんの胸にはそんな教訓が刻まれている。

<取材・文/ 黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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