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自宅のコンセントの“最適な個数”は?「実用性に乏しい家」に共通する特徴

日刊SPA! / 2024年5月12日 8時52分

「パナソニックのアドバンスシリーズを採用しています。スイッチ・コンセントといえば、誰もが思い浮かべる大定番商品のコスモシリーズの上位に当たるものですが、高級仕様であるにもかかわらず価格は大きく変わらないという点が魅力です。ちなみに、スイッチも同じアドバンスで統一しています」

マットな質感が美しく、カラーバリエーションも豊富だというアドバンスシリーズ。価格も大きく変わらないのに、なぜ日本中で採用されないのか。

「ハウスメーカーの設計担当者は、施主の意向よりもスピードのほうが大事ですから、わざわざ変える手間が面倒なのだと思います。スイッチやコンセントのデザインは、サイズこそ小さいものの壁の印象を決定づけるものです。例えば、壁に付けるコンセントの位置の高さについて営業部員や建築士、コーディネーターに相談しても誰も正解をもっていません。慣例に従って『うちは床から芯25㎝でやっています』と言うだけでしょう。最適な高さについて真剣に考えたことがないので、ただ慣例に従っているだけなのです」

コンセントを取り付ける高さには、設計者のセンスが現れるという。

「僕は、独自基準で床からコンセント芯で15㎝にしています。一般的な取り付け位置は床から25㎝なので、かなり低い位置ですが、そのほうが美しいからです。15㎝の高さのコンセントにプラグを差し込むと、コードの垂れ方が美しく見えます。壁と床の間にある部材を巾木といいますが、この巾木との間隔もバランスがよくなる。コンセントを挿したときの見え方まで計算するのがプロの仕事です。コンセントとプラグとコード、巾木を計算して位置を決める設計者がいれば、それは信頼できるプロフェッショナルだと思います」

設計者にコンセントの高さを聞いて「25㎝です」としか言われなければ、その人はハズレなのかもしれない。

〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉

【押村知也】
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』

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