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日本の学生の読解力は“世界3位”。東大生が「手放しで喜べない」納得の理由

日刊SPA! / 2024年5月12日 15時53分

◆世界1位になることも可能

 例えば、『ルポ 誰が国語力を殺すのか』(文藝春秋 石井光太著)では、ごんぎつねにおける兵十の母の葬儀のシーンで、「何かを煮込んでいる」描写について、多くの小学生が真面目に「兵十の母親を煮ている」と答えたと伝えます。本来は「葬式に来ている人々にふるまう料理を作っている」が正解ですが、常識が頭に入っていないので、与えられた情報から「(死んだ)兵十の母親を煮て消毒しているのだ」と、誤った解釈をしてしまう。

 言葉や社会常識に関する知識は読解に大きな役割を果たします。ものを知らなければ、正しく推測することもできません。文章を読む習慣がなければ、国語の経験値が蓄積されないまま成長します。小学生のころから読解力が変わらずに大人になる例も、少なくないのではないでしょうか。

 とはいえ、冒頭でお伝えした通り、日本の高校生は世界でも読解力がかなり高いほう。だからこそ、非常にもったいなく感じられるのはぜいたくな悩みでしょうか。たかだかその程度の読解力で世界3位を取れるのですから、少しトレーニングを積めば、たちまち世界1位に上り詰めることも可能でしょう。

◆世界1位を目指すトレーニング術とは

 適当な漢字の練習帳を解き進め、言葉の学習をするだけで、ずいぶん優位に立てます。『現代文キーワード読解』(Z会編集部)などはビジネスパーソンにもお勧めできる国語の受験参考書ですが、これに載っている言葉の意味を答えられない大人は意外と多いはず。ですが、この程度の言葉も知らなければ新書の一冊も満足に読めません。

 また、読解力を高めるトレーニングは文章の要約が一番です。できれば文章に起こして実際に文字に書くことが望ましいですが、口頭で「どんな話だった?」と聞いて答えてもらうだけでも相当な読解力の向上が見込めます。現状の学校教育ではそこまで手が回っていないので、家庭でフォローするのが望ましい。

 読解力が思っている以上に低い現実は、「少し勉強するだけで大きな差が付けられるチャンス」でもあります。写真や動画中心のSNSが流行っている今だからこそ、文字ベースのやり取りにより一層注意を払ってみてはいかがでしょうか。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa)

―[貧困東大生・布施川天馬]―

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