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パチンコ店の“サクラ”で月20万円稼いだ53歳。「あれ、おかしくねぇ?」客の一言が破滅の序章に…

日刊SPA! / 2024年5月27日 8時53分

 この一言が村木さんの人生を大きく変えることになるとは、村木さんもこのときは知る由もなかった。

「常連のイトーちゃんってヤツがいて、そいつから電話掛かってきて『マスター、サクラやりませんか?』って。最初はハァ?ってなったけど、とにかく一度話しを聞いてほしいっていうから、その日の開店前にイトーちゃんが来たんだよ。

それで聞いたら、パチンコ屋の店長やってる人が高設定台を用意するからそれを打って、換金したカネを折半してほしいって言うんだ。要するに雇われ店長が小遣い稼ぎのために“抜き”をしたいって。『そんなん絶対怪しいよ』って言ったら、マスターもいろいろとカネ必要なんでしょって……」

◆店長と“サクラのルール”の話し合いへ

 痛い所を突かれた村木さんは強く断ることもできず、数日後、イトーちゃんの紹介でホールの店長と会うこととなった。

「紹介してもらったのはイトーちゃんの先輩にあたる人で、都内の某チェーン系ホールの店長をしている人だった。『まぁ、私もいろいろと入り用でして、協力してもらえれば……』なんて感じで、その場で細かいルールを決めたんだ。差玉で3000枚以上は抜かない、終日打たない、投資金額抜いたカネで折半とか。投資が仮に1万円だとしたら、3000枚で6万円。日当2万5000円になるわけで、これを月に2〜3回お願いしたいっていうんで、オイシイよなって思った」

◆デビュー初日の日当は

 こうして2005年の春、村木さんはサクラとしてデビューを果たすこととなった。

「初めてサクラをやったのは、5号機の初代エヴァ。登場した当初は初の5号機ってことで話題になったけど、半年もしたら客付きは落ちて『やっぱり5号機は出ないよね』みたいに言われるようになってたんだ。当時はまだ4号機が主流で、出玉力で劣る5号機が受け入れられなかったのは、まぁ、仕方ないよねって。

サクラをやる前日の夜、イトーちゃんから台番号を教えてもらったの。『朝からエヴァを打つヤツなんかいないから、朝イチで来てピンポイントで打たれたら逆に怪しいから昼前くらいに来てくれ』って。でもさ、台取られてたらどうすんの?って聞いたら、『そうなったら諦めようって話が付いてる』って言ってた」

 いろいろと不安を抱えながら、村木さんは11時過ぎにホールへ。エヴァの島には誰もおらず、拍子抜けしたという。そして、言われたとおり、スロットのコーナーをフラフラと見回り、指定された台に座った。投資4,000円で食いつき、そのままダラダラと出続けて18時前にはカチ盛りのドル箱が2箱出来上がったため終了となった。出玉は3300枚ほど。換金6万6000円から投資の4000円を引いた6万2000円を折半し、3万1000円をイトーちゃんに渡してその日は終わった。

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