“発達障害専門”のフリーペーパーが創刊から部数3倍に。編集長に聞く「当事者だからわかる」成功の秘訣
日刊SPA! / 2024年5月29日 15時52分
スタッフが音信不通となったり多少の誹謗中傷を受けたりする苦労もありながら、それでも発行を継続する原動力はなんだろうか。
「インタビュイーや執筆してくださる方が目的や夢を持っていて、楽しく前向きにやっているのを見てほしいからです。発達障害の人って、他人の機嫌を損ねたとか、仕事でとんでもないミスをして鬱になったとか、人の機嫌を悪くしてパワハラに遭ったとか一度は経験したことあると思うんです。そういう状況に陥っていた人たちがどうやって前向きになるきっかけを得たのか、その“過程”を知ってほしいです」
◆印象に残っている記事を聞いてみた
最後に『凸凹といろ。』のなかで特に印象に残っている記事を聞いてみた。
「いろいろな記事があってどれかひとつを選ぶのは難しいですが、田邉友也先生の『医療従事者の立場からみた、発達障害にまつわる雑感』という連載の評判はよく聞きますね。トラウマインフォームドケアを推進している看護師の先生です。難しい文章を書かれるんで、苦手な方もいますが、当事者の方にも、支援者の方にも参考になると言われています」
多少のトラブルを織り込み済みとした上で、『凸凹といろ。』の定期発行を継続しているゆーさん。鮮やかで不思議と手に取りたくなる冊子同様、彼女自身にも独特の魅力があった。
<取材・文/延岡佑里子>
【ゆー】
大人の発達障害がテーマの無料情報誌『凸凹といろ。』編集長・ADHD当事者。発達特性を起因とする問題の多さから、企業勤めを早々に諦め、ほぼ独学で学んだデザイン、イラストを本業とし、役者の経験を活かしたナレーションなど、フリーランスとして働いている。公式ホームページ『凸凹といろ。』。X公式アカウント:@dekobokotoiro
【延岡佑里子】
障害者雇用でIT企業に勤務しながらの兼業ライター、小説家。ビジネス実務法務検定2級、行政書士試験合格済み。資格マニアなのでいろいろ所持している。バキバキのASD(アスペルガー症候群)だが、パラレルキャリアライフを楽しんでいる。Xアカウント名:@writer_nobuoka
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