1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

パチンコ店の“サクラ”で稼いだ53歳元パチプロの「その後の人生」。普通に働こうとするも“時すでに遅し”

日刊SPA! / 2024年5月29日 15時54分

 そして、村木さんの人生はまさしく、転がるように転落をしていった。

「いろいろやったなぁ……。キャバクラのボーイやって、いろいろあってポーカー屋で雇われ店長もしてた。あんまり詳しく言えないけど、ヤバい仕事もやったりして、結局また東京に戻ってきた。でも、まともな仕事なんて就けないわけよ。なんとか潜り込んだのは夜の世界の店員。女のコの送迎とか、なんでもやったよ」

◆元パチプロの現在の仕事は

 その後も定職に就かないまま今に至る村木さん。では、今は何をしているのだろうか。

「ヒモやりながらUberの配達員やってるよ(笑)」

 顔をご覧に入れられないのが残念だが、実は村木さんは今なお、かなりのイケメンなのだ。どことなくキムタクに似た顔つき、浅黒い肌、170cmの身長……外見は確かにモテオヤジである。

「今の彼女はネイルサロンをやってて、まぁまぁ流行ってるみたい。お金出すから飲み屋でもやったらって言われてるけど、オレ、すぐに調子に乗っちゃうからね。毎日自転車に乗って走り回ってるほうがいいんだよ、健康的だしさ(笑)」

 好き勝手生き続ける村木さん。話を聞きながら「こんなに自由気ままに生きている人はいるのだろうか……」と何度も思った。

◆自由気ままに生きる人は“勝ち組”なのか

 そんな村木さんに、ちょっと意地悪な質問をぶつけてみた。自分の人生は勝ち組と思うか、負け組と思うかと。

「オレの人生なんて勝つとか負けるとか、そういう勝負の土俵にすら上がってないからね。パチ屋の店長の言いなりになって寄生虫みたいにカネもらって、危ねぇ仕事して、ヒモになって毎日Uberで配達してるヤツなんて、そもそもフツーの人と争う土俵に上がってないよ。自由気ままに生きることが勝ち組っていうならそうかもしんないけど、それもちょっと違うんじゃないかな」

 とはいえ、今の生活には「満足しているかな」と村木さん。今年の夏、20年ぶりに里帰りをすることを目標に、今日も配達員としてペダルを踏み込んでいる。

◆サクラとして打っていた思い出の一台

 最後に村木さんの思い出の一台を聞いてみた。

「ベルコの『日本一の桃太郎CT』って台。サクラで打ったんだけど、これがもう、本当につまらなくて拷問だった(笑)。ベルコってビンゴシリーズとかで尖った台を出すメーカーって印象があったから、そんなメーカーの5号機第一弾って期待するじゃない。サクラで打ったんだけど、これがもう、本当につまらなくて拷問だった(笑)。設定6だけど機械割も低くて、とにかく出ない。頭の中じゃ『仕事仕事! これは仕事だから』って思いながら無心で打ち切ったなぁ……」

 苦笑いしながらも、当時を振り返って村木さんは語ってくれた。

取材・文/谷本ススム

【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください