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メディアアーティスト・落合陽一が予想。生成AIが創る50年後の世界とは…?

日刊SPA! / 2024年5月30日 8時50分

◆20年後の未来は、生成AI×ハードウェアの優位性が高まる

 20年後には、ロボット生産をはじめ、生成AIを組み込んだハードウェアの優位性がますます高まる時代になると見ています。

 その中で注目されるのが、「電力問題」。生成AIは膨大な計算を必要とするため、電力消費量も大きい。事実、生成AIの利用拡大を受けて、IEA(国際エネルギー機関)は2026年の電力消費量が今後2022年と比較して、最大で2.3倍になると試算しています。

 この電力消費を補う解決策として視線を集めるのが、原発稼働です。昨年もマイクロソフトが原発エンジニアを募集したことが話題となりましたが、20年後、生成AIの利用がより一般的になった時代には、電力需要はより深刻な課題になっているでしょう。

 ご存じの通り、発電技術は、日本が強みを持つ産業のひとつです。「生成AI×ハード」の拡充に加えて、再生エネルギーなどの電力製造技術も、今後世界における日本の存在感を高める基軸になるはずです。

◆50年後の未来は、あらゆる商品に小型生成AIがプラスされる?

 そして50年後。人間と同様の能力を持つAGI(人工汎用知能)が新たな転換を迎え、あらゆる製品にチップのような小型生成AIが組み込まれているのが当たり前の時代になっているでしょう。その頃には、現実と仮想現実が一体化したデジタルネイチャーの世界が、一層進んでいると断言します。

 また、産業のサイクルが2回ほど循環した頃なので、生成AIのような画期的技術が誕生し、世の中に新たな変化をもたらしている可能性が極めて高いです。

 50年後と言えば、1987年生まれの僕もまだ生きているかはギリギリのラインですが、ぜひそんな未来を見ることができたらいいなと思っています。

文/落合陽一 構成/日刊SPA!編集部

【落合陽一】
筑波大学でメディア芸術を学び、2015年東京大学大学院学際情報学府にて博士(学際情報学)取得。現在、メディアアーティスト・筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター長/ 図書館情報メディア系准教授・ピクシーダストテクノロジーズ(株)CEO。 応用物理、計算機科学を専門とし、研究論文は難関国際会議Siggraph などに複数採択される。令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰、若手科学者賞を受賞。内閣府、厚労省、経産省の委員、2025年大阪・関西万博のプロデューサーとして活躍中。 計算機と自然の融合を目指すデジタルネイチャー( 計算機自然)を提唱し、コンピュータと非コンピュータリソースが親和することで再構築される新しい自然環境の実現や社会実装に向けた技術開発などに貢献することを目指す。

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