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「辞めるなら120万円払え」と脅された人も…退職代行業者モームリが出合った“ヤバい会社”

日刊SPA! / 2024年6月2日 8時54分

「この10年間でブラック企業が社会問題化され、意識が広がるなかで、劣悪な労働環境では労働者側から積極的に退職する傾向が強まってきた。それに対し、ブラック企業では生き残り戦略として、入社した人材の退職妨害が横行し、その結果、退職代行のニーズが高まっているのでしょう」

 だからか退職代行への対策を講じるブラック企業もある。

「某エステ店は退職する際に本人が直接本社に出向いて退職届を提出しないと受け取ってもらえず、雇用契約書に『我が社では退職代行サービスの利用は認められません』と明記されているそう。ほかにも、退職を妨害するために最後の給料を本社まで取りにこさせる企業もあります」

◆代行利用には法律上の懸念点も

 近年、POSSEの労働相談窓口には、退職代行サービスの利用トラブルに関する相談が増えているという。

「退職代行業者から依頼者の会社に退職の意思を通達してもらい、有給休暇を消化した後に退職する旨を伝えても、有給休暇を使えないよう会社が退職日を勝手に前倒しで指定してくることがある。このように依頼者が良い条件の退職を望んでも、弁護士ではない退職代行業者が企業と交渉することは弁護士法違反の非弁行為にあたる。結果、労働者側に不利な条件で収めようとする業者も少なくない」

◆安価な相場ゆえ、悪質な業者も

 退職代行を選ぶ際も「怪しい業者に騙されるケースが増えている」と警鐘を鳴らす。

「『弁護士や労働組合との提携・監修』などと謳って集客しているケースは多いですが、本当に具体的な実績がある労働組合なのか一度調べてみたほうがいいです。結局、退職代行は1件につき3万円前後のビジネスモデルなので、一件ごとに時間をかけず、数をこなさないと利益が出ない。依頼者を軽視して、片手間でやる悪質な業者も多いです」

 もしブラック企業に入社してしまったら「いきなり退職してしまう前に、休職という選択肢も検討を」と坂倉氏。

「特にメンタルを病んでしまった場合には病院で診断書を書いてもらい、企業に提出することで休職の手続きができます。そうすれば傷病手当金を受給しつつ、未払い賃金やハラスメントなどの証拠集めの準備を進められる。これは退職してからでは難しいので、休職のほうが有利な条件で会社に反撃ができますよ」

 退職代行利用がやむを得ない事態もある反面、あらかじめその危険やリスクもぜひ心得ておきたい。

【NPO法人「POSSE」理事・坂倉昇平氏】
’06年、NPO法人POSSE設立。’14年には「総合サポートユニオン」を発足し、年間5000件以上の相談に関わる。著書に『大人のいじめ』(講談社)

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/杉原洋平 写真(坂倉昇平)/村田克己

―[[退職代行する人]の主張]―

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