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「スシロー、くら寿司では物足りない客」を満足させる…職人が握る回転寿司「銚子丸」の戦い方

日刊SPA! / 2024年6月8日 8時54分

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写真はXより

経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回は株式会社銚子丸の業績について紹介したいと思います。
首都圏に約90店舗を展開する回転寿司チェーンである銚子丸は、大手の寡占化が進む一方、“グルメ回転寿司”として独自のポジションを確立しました。同社の歴史とメニュー、そして近年の施策についてまとめました。

◆各店舗に寿司職人が在籍

株式会社銚子丸は主に寿司チェーン「すし銚子丸」(以下、銚子丸)を東京・千葉・埼玉・神奈川で約90店舗展開しています。FC店は設けず全店直営で運営。セントラルキッチンは持たず、各店舗に寿司職人が在籍しているのが特徴です。

1貫が大きく、品質もしっかりしていますが、そのぶん値段は高く、まぐろ・サーモン類は概ね2貫で400~500円台。ほかのチェーン系回転寿司では安い部類に入る軍艦でも、高いものでは400円を超えます。

高級寿司店は敷居が高い一方、大手チェーンの寿司では物足りない――そんなニーズを満たしているのか、銚子丸は様々な調査でも消費者から比較的高い評価を得ていることが分かります。コスパ良く一定の品質を楽しめるという点で、“寿司界のロイヤルホスト”のような存在と言えます。

◆2015年に90店舗を達成

銚子丸は1977年玩具店及び飲食店の運営を目的とした株式会社オールとして創業しました。2年後に持ち帰り寿司の「花すし」を開店した後、87年に回転寿司業態の1号店である「ABC」を浦安にオープンしました。「すし銚子丸」をオープンしたのは1998年のことです。

同社は銚子丸を“グルメ回転寿司”と位置づけ、品質にこだわった回転寿司チェーンとしての地位を確立しました。2002年に銚子丸業態は20店舗を達成、2005年には現社名に商号を変更し、2013年に銚子丸業態は80店舗を達成しました。関東1都3県においてロードサイドに店を出店しており、比較的駅に近い店舗でも幹線道路に面しているのが特徴です。

なお2015年に90店舗を達成して以降、店舗数は横ばいに推移しています。ちなみに以前は長時間労働の体質が強く、離職率も高かったようですが、2017年から働き方改革を進め、改善に取り組んでいるようです。

◆「価格改定による客単価の上昇も」増収に貢献

近年の業績を見てみましょう。2019年5月期から23年5月期の業績は下記の通りです。100均一系かつロードサイド業態である「スシロー」や「くら寿司」の業績が伸びたことを考えると、20年5月期及び21年5月期の業績悪化は逆行しているようにも見えます。

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