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「退職代行も使えない」うつ病で休職中の中学校教員が語る“定額働かせ放題”の実態

日刊SPA! / 2024年6月10日 15時54分

「退職代行も使えない」うつ病で休職中の中学校教員が語る“定額働かせ放題”の実態

関東の公立中学校に勤める島田さん。担当教科は英語

「残業が100時間を超える月はザラでした。勤務時間に応じた残業代は支払われず、基本給の4%が上乗せされるだけ。『教員は定額働かせ放題』という言葉は的を射ていると思います」
 そう語るのは、公立中学校教員の島田純一さん(仮名・29歳)。うつ病を発症し、休職してから半年以上経つという。島田さんを苦しめたのは過酷な労働環境と、それに見合わない待遇だ。

◆若手が運動部の顧問をやるのは暗黙の了解

「毎日5時に起きて7時に出勤していました。定時は16時半ですが、運動部の顧問をしているのでその時間に帰れたことはありません。やりたくなかったけど、『運動部の顧問は独身の若手がやれ』というのが暗黙の了解だったんです。

 部活動が終わるのが18時で、そこから翌日の授業の準備や課題の採点、テストの問題作成をします。20時に帰宅できたら早い方で、文化祭や運動会などのイベントが重なると23時を超えます」

◆休日に働いても手当はたったの3000円

 どんなに遅く帰宅しても、翌日は5時起きの7時出勤。土日くらいは体を休めてほしいが、部活動の顧問になってしまうと休日出勤は避けられない。

「大会の時期は最悪ですね。だいたい生徒が8時集合で、教員は7時集合。持ち回りで担当する大会運営者になってしまうと6時集合です。迷子などトラブルはつきもので、集合時間に来ない生徒がいると肝を冷やしました。

 生徒に何かあったらすべて私の責任ですから、平日以上に気を張っているかもしれません。そんな一日がかりの労働で、自治体から支給されるのは3000円。一度飲みに行けば消えてしまう金額です(笑)」

◆盗撮した生徒さえ“怒れない”ストレス

 時間的な拘束に加えて、時代に合わせ多様化してく業務も島田さんを苦しめた。

「GIGAスクール構想という『生徒一人に対して一台タブレット端末を支給する』という文部科学省の取り組みがあります。構想自体は立派ですが、文科省からは端末が送られてくるだけ。生徒全員分のタブレットに保護フィルムを貼っているときは気が狂いそうになりました。

 また、生徒がタブレットで盗撮したり、投げて壊したり…よく問題になっていました。ベテラン教員はめっぽう機械に弱くて、『若い人がやって』と知らん顔。生徒たちの方が詳しくて、昭和生まれの教員はバカにされています」

 上記のような悪事を働いたり、態度が悪い生徒に「怒る」ことさえできないと島田さんは続ける。

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