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「一般人の日記が30万円で売れる」30歳の古物商が語る、意外な物がカネになる骨董の世界

日刊SPA! / 2024年6月11日 15時52分

◆一般人の日記が30万円で売れることも

――日記が売れるんですか。

ナンブ:研究資料として戦前のサラリーマンの日記が欲しいという学者がたまにいるんですよ。以前も戦前からあった地方の会社社長の日記が研究機関に15万円で売れました。あとは一般人の日記ですね。「お医者さんの家に入って日記あるかな?」と探していると、30年分の娘の日記が出てきて、水滸伝より長いんですよ。

 どの日記もちゃんと読んでから売りに出そうと思うのですが、他人の日記って癖が強いので読みにくいんですよ。特に、明治期の日記はまだ文法など、読み方が確立されてなくて慣れるしかないです。あとは達筆すぎて何が書いてあるかわからない日記も多いです。こういうのはお手上げなので、すぐマニアに流すんですけど、僕の知っているマニアの中にはどんなにぐちゃぐちゃな文章でも読める人がいて、これが適材適所ですね。

――他に面白いグッズとか出てくるんですか?

ナンブ:切り抜かれた女性の下半身と、下半身を切り抜かれた女性の写真があって、組み合わせると下半身だけ裸の女性ができるなど、昭和の知恵が詰まったコレクションとかが出てきたこともあります。

 あとは、元ゲーセンの店長から流れてきたのか、プリクラの中身のデータが全部プリントアウトされて、卑猥な格好をしたプリクラやカップルのチュープリとかが100枚以上束になったのが、流れてきたり…裏ビデオも出てきたこともありました。人の闇の部分が露骨に現れたりするのがおもしろいですね。

◆骨董業界はねたみ嫉みが多い

――本当は犯罪なものが表に出てくることも多々あるんですね。

ナンブ:よくあります。そういう例だと、大正時代くらいからある家に入らせてもらった時、薬箱から覚せい剤の「ヒロポン」や「セドリン」が見つかったことがありました。中身も使いかけでしたが、入っていました。もう何十年も前のものなので使えないとは思いますが……。こんなもの所持していたら捕まってしまうので、見て見ぬふりをしましたが、こういう危険と隣り合わせの部分もあります。

――この業界でツラかったことはありますか?

ナンブ:骨董業界って狭くて、案外ねたみ嫉みが多い業界なんですよ。なので、「これ俺が欲しかったのに」みたいな商品をオークションに出すと嫌がらせとかされるんです。30万円で落札されて嬉しいー!と思ってたら、入金されずにバックれられたりされます。なので、自分のアカウントだとバレないように匿名でやるように変えました。一応、真面目に売れるものも販売しないと生活できないんで、きちんとやっている部分もあります。

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