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黒いセダンで「あおり運転」してきたチンピラ風の男が慌てて逃走。警察に捕まるまで

日刊SPA! / 2024年6月12日 8時53分

 また、「かなり危ない運転でバスをあおる、おたくの車を見た!」との苦情の電話もあったとのこと。水野さんは「アレを見ていた人が他にいたんだ……。社用車だったしな」と思ったそうだ。

 Aさんのこの騒動は、うわさ話が好きな女性も聞き取り調査を受けたため、会社中に知れ渡ることになった。そして、あおり運転が毎日のようにニュースをにぎわせていたこともあり、異動から数か月でAさんは退職した。

「自分の車ではもちろんですが、“会社の名刺”である社用車でのあおり運転で身を滅ぼした人がいることを忘れず、安全運転を心がけようと改めて誓いました」

◆急接近してくる黒いセダン

 遠藤曜子さん(仮名・30代)は夏の日の夕方、仕事を終え、自宅に向かって車を走らせていたときのことを話してくれた。

「街の喧騒から離れた郊外の道を走っていると、バックミラーに異様な光景が映り込みました」

 後方から1台の黒いセダンが急接近してきたのだという。その車は遠藤さんの車に異常なほど近づき、バンパーに触れる寸前の距離で追尾。遠藤さんは「どうしたんだろう」と思いながらも、スピードを少し上げてみたという。しかし、その車はぴったりとついてきたそうだ。

「次第に恐怖心がわき上がり、心臓の鼓動が速くなりました。あおり運転のニュースを見たことはありましたが、まさか自分がその被害に遭うとは思いもしませんでした。少し落ち着こうと深呼吸をして、できるだけ冷静に対処するようにつとめました」と、当時の緊迫したようすを打ち明ける。

 その後もあおり運転は続いた。しばらくして、その車はクラクションを執拗に鳴らし始めた。遠藤さんは限界を感じ、最寄りのコンビニの駐車場に避難することに。ウィンカーを出して左折し、駐車スペースに車を止めた。しかし、黒いセダンは遠藤さんの後を追うように同じ駐車場に入ってきたという。

◆恐怖におびえながら警察に通報すると加害者は慌てて…

 恐怖がピークに達した遠藤さんは、すぐに車のドアをロック。その瞬間、セダンの運転手が車から降りてきて、遠藤さんの車に向かって大声で叫び始めたとのこと。

「耳を塞ぎたくなるほどの怒鳴り声でしたが、内容は理解できませんでした。ただ、怒りの表情から敵意を感じました」

 すぐに「助けを呼ばなければ」と思った遠藤さんは、スマートフォンを取り出して警察に通報した。

「警察に説明する間も、相手の怒鳴り声は続きました。オペレーターに状況を伝えると、警察がすぐに向かうとのことでした。心の中で『早く来て』と祈りながら、車内でじっと待ち続けました」

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