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「気がつくと2時間泣き続けていました」女性漫画家が語る、毒親・性被害のトラウマと回復

日刊SPA! / 2024年6月14日 8時50分

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漫画家の三森みささん

幼い頃に親から受けた心の傷や性被害などが、大人になってから強烈な心身の不調を引き起こすことがある。その症状は発達障害によく似ているが、実はトラウマによる「複雑性PTSD」の可能性がある――そう指摘するのは、『トラウマからの回復』の著者、精神科医・生野信弘氏だ。当事者の体験を聞くとともに、生野氏に解説してもらった。

◆数々の不調の原因は過去のトラウマによるものだった

毒親育ち、宗教3世、性被害のトラウマなど、壮絶な経験を経て数えきれない“生きづらさ”を抱えてきた漫画家の三森みささん。かれこれ3年以上、トラウマ治療を続けているという。

「治療のきっかけは、性被害によるフラッシュバックが起きたこと。SNSで性被害の記事を見ていたときに、予兆なく自分が性被害を受けたときの感情や声、映像に支配され、気がつくと2時間以上泣き続けていました」

トラウマ治療にかかる以前は、自分の症状に対して、うつ病や発達障害を疑っていたという。

「これまでも、食欲や気力がなくなり、怒りの感情をうまく管理できないことが多々ありました。ほかにも、不眠や過眠、胸が詰まって声が出なくなるような息苦しさを感じることや、集中力がなくて仕事が進まない、考えがまとまらないとか。周りからも発達障害の一種、学習障害だと言われていたし、自分でもそう思っていたんです」

◆臨床心理士のもとで心理療法に取り組む

しかし、その原因は過去のトラウマによるものだった。

「私の場合、『性被害によるPTSDと、親子問題や複雑な人生が絡み合い、より問題が重篤化している』と医師から告げられました」

トラウマが過去の傷として残り続けていると、脳や体は常に警戒状態になり、ストレス反応が日常生活でも頻繁に表れるようになるという。

「今は臨床心理士さんのもとで、トラウマに効果があると言われている心理療法を続けて、不調も治まり感情のコントロールもできるようになりました。昨日のことのように恐れていた性被害の過去も、今では何十年も前の記憶のように思えます」

トラウマは想像以上に今の自分に影響を与える。抱え込まずプロの手を借りることが大切だ。

【三森みささん】
漫画家。イラストレーター。性犯罪被害と虐待の後遺症を治療していく「トラウマ治療編」のエッセイを公開中(一部有料)

◆トラウマが神経の発達を阻害する

幼少期のトラウマ体験が発達障害に似た症状を誘発するのはなぜなのか。

精神科医の生野信弘氏は、「小児期に繰り返し受けたトラウマ体験により、『交感神経』と『背側迷走神経』が誤作動を起こすから」だと話す。

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