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個人店の廃業が相次ぐ“6000億円”ラーメン市場の中で急成長する「人気ラーメンチェーン」2社の勢い

日刊SPA! / 2024年6月16日 8時53分

 効率化に向けた体制の支援として、新たにセントラルキッチンを建設し、2025年に全面稼働を目指す。今まで製造を外注していた麺やスープ、焼き豚などを内製化し、サイドメニューの餃子なども生産する計画である。これで味の均質化と店舗調理の効率化が実現し、競争力を強化できて、多店舗展開の基盤が確立できる。

◆ラーメンまこと屋の強みは?

 特製の圧力寸胴で牛コツを粉々になるまで煮込んだスープが自慢のまことやラーメン。他店の模倣困難性の高い独自工法にこだわった商品力で競争上の優位性を確保している。

 飲食店は商品と価格だけではない。接客や快適な雰囲気も重要な構成要素であり、そのための投資も十分である。古木を駆使した落ち着きのある店内空間はご家族連れにも人気のようだ。一人客が利用するカウンター席と共にゆったりできるテーブル席も人気を博し、幅広い客層に満足されているようだ。

 フランチャイズも積極的に募集している。成功事例が多くあり、その成功の再現性も確実なパッケージにして用意しているようだ。フランチャイズに加盟しているオーナーが複数店舗を有しているか否かも、加盟する時の判断材料になるものだ。儲かる仕組みのフランチャイズであれば、借入しても複数店舗を展開したいのがFCビジネスである。

 ラーメンまこと屋は収益性が高く、投資回収速度の標準が3年未満となっている。その数字に裏付けされ、成功の根拠を示したビジネスモデルに魅力を感じる加盟店希望者が多いようだ。ちなみに社外取締役に鳥貴族を展開する大倉忠司氏、株式会社エターナルホスピタリティグループ代表取締役社長(5月1日鳥貴族ホールディングスから社名変更)が名を連ねており、その点も加盟店は安心材料にするようだ。

◆やり方次第では成長の余地アリ!

 日本の国民食と言えば、おにぎり、味噌汁、うどん、納豆、寿司などが挙げられる。その中でも、多くの人が最も関心を持つ国民食はラーメンだろう。それだけに単なる同業他店だけの競争だけでなく、異業態・異業種(食品スーパー・コンビニなど)との戦いも激化している。

 昨今ではファミリーレストランやコンビニにも有名シェフを冠したカップ麺の品揃えが充実されているように、ラーメン需要にはさまざまな業種業態が入り乱れて、競争が熾烈になっている。物価高などが原因で廃業や倒産のイメージが浸透しているラーメン業界だが、やり方次第でまだまだ成長できるという、高い成長志向を有するチェーンが、さまざまな手法を用いて自社シェア拡大に奔走している。

 今回紹介した2社が成長余地があるラーメン市場を絶好の機会に捉え、それぞれの強みを投入して、いかに事業拡大に繋げていくか期待したい。お客さんにとっては、この競争から受けられる利益を楽しみにしたいものだろう。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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