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“大打撃を受けた”ブライダル業界で大きな明暗が。“既視感のある披露宴”は時代遅れに

日刊SPA! / 2024年6月20日 8時52分

 ブライダル業界において、婚礼単価を引き上げるキーファクターになっていたのがゲストの数。人数の減少は婚礼単価を引き下げることになります。2023年の結婚式の費用の平均額は356.3万円。2020年は382.6万円でした。30万円近く下がっています。

 ここで注意したいのが減少率。人数は20%近く減少しましたが、婚礼単価の平均額は6.9%の減少に留まっているのです。ゲスト1人当たりの単価に換算すると、2023年は1人当たり7.2万円かかっているのに対し、2020年は6.1万円しかかかっていませんでした。つまり、婚礼単価は下がっているものの、カップルのゲスト1人当たりに対する負担額は増えているのです。
 
◆カップルの要望に寄り添う提案を行うチャンス

 同調査では、結婚式の見積もりよりも実際の金額が上がった理由を調査しています。それによると、「衣裳を追加またはランクアップしたから」が68.9%でトップ。次いで「料理を追加またはランクアップしたから」が68.4%と続きます(複数回答)。

 リクルートは経済産業省に「ブライダル産業の構造転換に向けた調査・分析」という報告書を提出しています。その中で結婚式の多様化が進んだとし、定番型披露宴が下火になってカップルの要望にカスタマイズしたパーティーが増加すると予想しました。

 コロナは本当に価値があると感じるものへの消費傾向を高めました。飲み会文化が消失したのは典型例です。結婚式にもその傾向が出始めているのです。

 呼ぶ必要のないゲスト、テンプレ化した幼少期からのビデオ映像、イミテーションのウエディングケーキなど、カップルが必要ないと感じればすっぱりと切り詰めます。その一方で、ドレスや料理などこだわる部分にはお金をかけます。商品力や提案力を高めることで、単価増を狙える余地が生まれたのです。しかし、従来型の提案は通用しなくなりました。

◆単価が回復した2社に共通しているのは…

 テイクアンドギヴ・ニーズの2024年3月期(4Q)の婚礼単価は392.4万円。コロナ前の394.7万円とほぼ同じ水準まで回復しています。

 同社は料理単価やドレス単価の向上を要因として挙げています。消費者意識を上手くつかんでいるのが分かります。

 ブラスは2024年7月期(3Q)の単価が402.9万円。2020年7月期(2Q)は392.3万円でした。

 2社の原価率を見ると、テイクアンドギヴ・ニーズはコロナ前の36.7%から33.4%に3.3ポイント、ブラスは37.6%から32.7%へと4.9ポイントそれぞれ下がっています。

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