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北九州「成人式のド派手衣装」生みの親の“苦悩と逆転”。九州の恥から一転、NY個展へ

日刊SPA! / 2024年6月22日 8時52分

「その個展の打ち上げパーティーには驚くような著名な方々が出席していて、翌月にはオファーがあり、2023年9月にニューヨークでファッションウィークを開催することになったのです。日本では成人式の準備も控えていましたから、スケジュールはキツキツでした」

 ファッションウィークのオファーを受けた池田さんは、タイトなスケジュールを乗り越え、約1週間にわたって開催されたショーを成功させている。そして、大喝采――。客席にいたギャラリーの目が釘付けになっていたことは、ショーを終えてから聞かされた。

◆NYファッションウィーク後の変化

「日本での風向きが変わったのは、このあとです。読売新聞がショーを取り上げてくれたことで取材が殺到しました。ニューヨーク滞在中にはZoomで、日本へ戻ってからも多くの取材を受け、激レアな人から体験談を聞く『激レアさんを連れてきた』にも出演しています」

 そしてメディア出演や仕事の増加とともに、ド派手成人式への評価も変化した。さらに、2023年に市長が武内和久氏へと変わり、ド派手成人式について「北九州市の若い人たちがコツコツ生み出した美意識」「否定から挑戦へ」など、前向きなコメントも発表している。

「市長のコメントは、本当に嬉しかったです。ほかにも、北九州の旦過市場で2022年に起きた火事の復興にも携わるNPO法人からお声かけいただいてプロジェクトがはじまったり、博多大吉さんなど著名な方が取材に来てくださったり、嬉しいことはたくさんありました」

 そんな池田さんに、今後について尋ねてみた。すると、「今後は、どうなるんでしょう…? お客様の夢を叶えるのが仕事という軸はずっと変わりませんが、これまでは流されるまま生きてきたから。でも、過去の経験がいろんなところでつながって役立っていて、ムダなことはひとつもなかったので、今後もそんな感じで進んでいくのかな?と思っています」と、微笑む。

◆「できることから地域貢献したい」

「小倉の発展に貢献したいという気持ちは前々からあったので、できることから地域貢献していきたいと思っています。最近の活動といえば、菜桜(なお)ちゃんに新作ドレスを提供したことや小倉駅ホームの成人式で使ったド派手衣装を展示いただいていることです」

 菜桜さんは、ダウン症で幼い頃から手術を繰り返しながらも、モデルになるという夢を実現させた20歳の女性だ。そんな彼女サイドからパリコレで着るドレス製作のオファーを受け、きらびやかな飾りと柄がド派手な印象のドレスを製作し、こちらも大成功を収めている。

「JR小倉駅ホームでは、成人式で話題となったド派手衣装や黒と金で観光列車をイメージした衣装2着を展示いただいています。観覧には小倉駅の入場券もしくは乗車券が必要となりますが、2024年9月26日までの期間中であれば楽しんでもらえるようです」

 同じモノでも、それを身につける人となりはもちろん、周囲の感覚や評価によって価値観は大きく変わってくる。少しずつであるが、海外ではアートとして、そして地元では北九州市小倉独自の文化としても認められつつある“ド派手成人式”。今後の展開を楽しみにしたい。

<取材・文・撮影/山内良子>

【山内良子】
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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