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ディズニーリゾート“相次ぐ値上げ”は成功?客層の“足切り”で、客単価は5年で1.4倍に

日刊SPA! / 2024年6月22日 8時54分

 ちなみに入場制限数の詳細は公開されていませんが、現在、パークチケットを現地で買うことはできず、公式サイトまたはアプリで購入する方式を取っています。

◆5年間で客単価を40%引き上げた

 24年3月期は一転します。売上高は35周年記念の19年3月期を約1,000億円上回り、利益とともに過去最高を再度更新しました。ホテル事業を除くテーマパーク事業の売上高も4,375億円を上回る5,138億円となりました。入場者数自体はコロナ禍以前の水準を下回っているため、24年3月期の好調は客単価の増加に支えられた形です。

 テーマパーク事業単体の客単価は19年3月期平均で1万1,815円でしたが、コロナ禍で年々上昇し24年3月期では1万6,644円となりました。5年間で40%引き上げることに成功しています。この間、入場料の引き上げを4回も実施しており、1デーパスポート(大人1人)の価格は以前の7,500円から、現在では変動価格制を導入し7,900~10,900円となりました。

◆値上げで上客の絞り込みに成功した?

 お得な年間パスポートも廃止。この他にもディズニーは“有料版ファストパス”といわれる「ディズニー・プレミアアクセス」を2022年から導入しています。ディズニー・プレミアアクセスは1回1,500~2,500円を課金することで、特定のアトラクションを並ばずに楽しめるほか、専用エリアからパレードを鑑賞できるシステムです。

 ちなみに開業したばかりの新エリア「ファンタジースプリングス」はパークチケットだけで入場することはできません。アプリで特定アトラクションの「スタンバイパス」(無料)を取得するか、ディズニー・プレミアアクセスで課金する必要があります。

 また、特定の宿泊プランを利用する客は1デーパスポートの「ファンタジースプリングス・マジック」(大人22,900円~25,900円)を購入でき、同チケットがあれば新エリア内のアトラクションを時間指定無しかつ並ばずに楽しむことができます。

 このような値上げと課金システムにより、コロナ禍では客単価が増加しました。ただ、物品・飲食販売の増加も客単価増加の要因であると同社は発表しており、実際に入場料の増額分以上に客単価は増加しています。大きく膨らんだ理由として入場料の値上げが客層の“足切り”をもたらしたことが考えられます。7,500円の客と1万円の客では、入場料以外に使える金額も異なるでしょう。ディズニーは足切りにより、上客の絞り込みに成功したといえます。

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