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「IQは高いのに、なぜか投資詐欺に騙される人」の残念な特徴。“合理性障害”がアダに

日刊SPA! / 2024年6月24日 8時50分

 これらの証拠から、IQが高いこと(一般的に「頭のいいこと」)と騙されやすいこと(合理性障害)は十分に両立し得ます。

◆親密性と流暢性の高い情報には気をつけろ

 たとえば、IQの高い人がトンデモ医療や健康法にハマるケースを多く見かけませんか?なぜ頭のいい人が「幹細胞治療」とか、「ビタミン点滴」に引っかかってしまうのか? ポイントは「真実っぽい情報」です。人はこれに無意識に引っかかってしまうのです。

 あくまでも「真実」ではなくて「真実っぽい情報」ですよ。消防署から来たのではなく、「消防署のほうから来た」という昭和の消火器押し売り詐欺みたいなものです。

 前掲書には、シュワルツマンとニューマンという心理学者の研究が紹介されています。それによると、「真実っぽさ」の要素には以下の2つがあります。

(1)親密性(同じようなことを以前にも聞いてなじみがある)
(2)流暢性(その情報がなめらかで処理しやすい)

◆無意識に情報を選別し、いつのまにか洗脳される

 このぼんやりした感覚によって前提条件を疑うことなくその情報を信じてしまうわけです。たとえば、同じ大学出身者のOB会においては職業や年収などが似通っていて、その中で流通している話題は親密性の高い情報となります。

 ここに流暢性が加わります。流暢性とはいわゆる「よいキャッチコピー」みたいなもの。引っかかりなく耳から頭に入ってしまう魔法の言葉です。「自然豊かな環境でのびのび育った牛から取った牛乳」みたいな? 改めて考えてみるとこういうなめらかな情報は世の中に氾濫しています。

 ただでさえ健康に関心があり大量の情報を集める頭のいい人は、無意識に親密性と流暢性の高い情報を選別し頭に入れてしまいます。そして気づいたときにはトンデモ医療に洗脳されている。こういうことが医療分野以外にもたくさん起こっているわけです。もちろん、投資にも!

<文/上念司 構成/日刊SPA!編集部>

【上念司】
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中

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