高知東生59歳、逮捕後の“自分の第二章”で再認識「やっぱりエンターテインメントでしか生きられない」
日刊SPA! / 2024年6月26日 8時51分
――本編にも登場していましたが、「有名人、芸能人はすぐに復帰できる」と言われがちです。実際に感じたのは、有名人だからこその枷のほうですか?
高知:人に見られること、知られていることが仕事だったし、そのなかでやっちゃいけないことをやっちゃったからね。でもそこから自分なりにしっかりと頑張って、まい進しているのならば、そこにチャンスはあっていいんじゃないかと思うんです。だけど「なんで」と言うのは止めました。現実を受け止める。いま新たに、歌を歌ったり作詞をしてみたり、小説を書いたり。啓発モノだとしても芝居ができたりと、頑張り直している自分を見てくれる人がいて、監督とも出会って、こうして商業映画ができた。表現者としていろんな形ができています。
◆オレたちから始まる、表現者としてのパターン、受け皿を作ってあげたい
――商業映画に取り組んだことで、表現することの喜びを改めて感じましたか?
高知:逮捕されたあと、“自分の第二章”の仕事はなんでもいい、生きていくために働かなきゃという意識があった。でも振り返ると、オレたちはやっぱりエンターテインメントでしか生きられないというのは、ぶっちゃけた話として、再確認できました。
ただ、全部をさらけ出して、理解してくれる人たちに包まれたうえでの、今日という日だから、そこをちゃんと理解する。そのうえで表現者として、リカバリー・カルチャーとして、いま声を出せていない、苦しんでいる人たちにも、新たにレールを敷いてあげたい。オレたちから始まる、表現者としてのパターン、受け皿を作ってあげたいなと思います。そういった使命感はあります。
――いまの高知さんだからこその表現だと。
高知:かもね。過去に蓋をするのではなく。小説にしてもエッセイにしても作詞にしても、役者の粋を超えて、いろんな表現がある。自分は役者しかできないと思っていたけれど、必要と思ってチャンスをくれる人たちがいる。あとは最善を尽くす。昔は完ぺき主義で苦しんでたんだけど、「完ぺきなんかいらねえや、その日、その時の最善を尽くして、つまずいたら次につなげよう」と。変な肩の力みが取れました。
◆自分らしく、自分を大事に生きる
――『アディクトを待ちながら』のクライマックスで、みんなが語る場面のセリフは台本に書かれたものではなく、キャスト自身の言葉であり、即興だそうですね。高知さんが最後に語るところもご自身の言葉なのですか?
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