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ラーメン業界“閉店ラッシュ”の中で店舗を増やし続ける「丸源ラーメン」。圧倒的な成長を可能にした強みとは

日刊SPA! / 2024年6月26日 8時53分

②効率運営を重視した販売力

 ラーメンチェーン店の多くは、セントラルキッチンで、食材を大量に仕入れしてコストダウンを図る。麺・餃子・チャーシューなどの大量生産によるスケールメリットも発揮して、品質向上とローコスト化に取り組み、規模の経済を実現している。チェーン企業として全体最適化を念頭に、積極的な多店舗展開とドミナント出店を実現している。セントラルキッチンの稼働率向上による原価率低下と現場調理の負担軽減に貢献している。そして、ドミナント出店により、物流コストの低減も実現できている。

 また、丸源ラーメンの採算を推計すると、ランチ時の1人客が座るカウンター席の回転率は2.5回転であった。この店は料理提供も早く、20~25分間隔でお客さんが入れ替わる。粗利益も十分確保した価格設定になっており、これだけ効率的(粗利益×客席回転率)に入ると、経営は盤石だ。人員も機会損失を回避することを重視したシフト管理になっており、昼のピーク時はキッチン5人、ホール5人と万全な体制で溢れるお客さんを手際よく捌いている。

◆二代目丸源、きゃべとん…新業態の開発も

③標的顧客のニーズに合致した業態開発!

 標的顧客への対応を強化し規模の経済も発揮。周辺顧客も吸引し、一定程度のボリュームが望めるならそれらに対応した業態を開発し取りこぼしがないように徹底している。物語コーポレーションのラーメン事業の中で、コア店舗である丸源ラーメンは、ご家族連れ向けに適した業態であり、その丸源ラーメンのコンセプトを踏襲しながらもより高い専門性を打ち出している。

 ラーメンマニアから家族連れまで幅広い顧客層を標的にした店づくりの「二代目丸源」、ラーメンマニアをターゲットの選定した小型店の「熟成醤油ラーメンきゃべとん」など、新業態の開発だ。市場を細分化し、ターゲット客を選定し、その中で自店の立ち位置を明確にするなど、マーケティングの強化にも力を入れて、市場の棲み分けを行いながら新たな業態を順次投入している。

◆店舗経営に重要な「顧客生涯価値」とは?

④顧客基盤の盤石化

 丸源アプリが好調でダウンロード数が、昨年末に250万を突破するなど、顧客の囲い込みにも成功している。市場の将来予測に基づくと、インバウンド効果は安定しているだろうが、人口減少や少子高齢化でラーメンの喫食人口の減少は回避できない。

 新規顧客獲得のコストが高くなる中、既存顧客の来店を促し、その顧客が生涯にわたり自店で消費してもらえるようににブランドロイヤリティ(忠誠度)を高める「顧客生涯価値(LTV・ライフ・タイム・バリュー)」の取り組みをを実施している。その結果、囲い込んだ顧客に、強みである顧客提供価値を高めた施策を持続的に実施し、顧客満足度を高められている。

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