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“近代日本の象徴”だった名作レトロ建築の世界。爆破解体された「朝鮮総督本庁舎」を写真で振り返る

日刊SPA! / 2024年6月29日 8時50分

ホールの三方には2層の開放的な回廊を巡らせ、正面には手すりが流麗なラインを描く対の階段を設置。その階段を上がった奥には、天井全面がバロック様式による漆喰装飾で覆われた大会議室が続き、豪奢でボリュームのある空間が展開していた。

戦後この庁舎で大韓民国の成立宣言が行われ、長らく政府の中央庁舎として使用されていたが、1986年に国立中央博物館に転身。韓国にとって歴史上の負の遺産として、金泳三大統領の命によって1995年に取り壊された。

現在は解体された残骸の一部が、天安市にある独立記念館の野外に展示してある。

<文/伊藤隆之、後藤聡(エディターズ・キャンプ) 写真/伊藤隆之>

Architect Data
所在地:大韓民国ソウル特別市 
設計:ゲオルグ・デ・ラランデ、朝鮮総督府営繕課 
施工:朝鮮総督府直営、清水組 
竣工年:大正15年(1926) 
解体年:平成7年(1995)

【伊藤隆之】
1964年、埼玉県生まれ。早稲田大学芸術学校空間映像科卒業。舞台美術を手がけるかたわら、日本の近代建築に興味をもち写真を学び、1989年から近代建築の撮影を始める。これまでに撮影した近代建築は2,500棟を超え、造詣も深い。これまで、『日本近代建築大全「東日本編」』『同「西日本編」』(ともに監修・米山 勇 刊・講談社)、『時代の地図で巡る東京建築マップ』(著・米山 勇 刊・エクスナレッジ)、『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』(監修・内田青蔵 刊・エクスナレッジ)などに写真を提供してきた。著書には『明治・大正・昭和 西洋館&異人館』(刊・グラフィック社)、『看板建築・モダンビル・レトロアパート』(刊・グラフィック社)、『日本が世界に誇る 名作モダン建築』(刊・エムディーエムコーポレーション)、『盛美園の世界』(刊・名勝盛美園)がある。

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