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「中途採用なのに職歴ゼロ」地方公務員たちの“民間とは違う”働き方のリアル

日刊SPA! / 2024年7月4日 15時51分

そのため定年退職まで入所時の役職のまま、という人もそれなりにいるのだとか。Aさんは試験を受けて無事に昇格したため、なんと60代の部下を持つことになったらしい。

「初めは気まずいなと思ったんですけど、もう慣れました。彼も別に仕事で自己実現を求めていないので、気軽に接してくれます。地元の名士としてお祭りを取り仕切ったり、小学校の行事で挨拶をしたり、仕事よりプライベートが生きがいのようですね」

まさにZ世代が憧れそうなプライベートに重きを置いて、地域にも貢献できる働き方である。

◆③休職率が高い、地方自治体の公務員

Aさんの職場に限らず、地方自治体の公務員は全体的に休職率が高いのだそうだ。

「休んでも、ある時期までは給付金をもらえますからね。これは一般企業とも同じですよね。おそらく一般企業と違うのは、休むと出世に響くという考え方がないからです。別の自治体では、半数以上が休んでいる課もあるらしいですよ」

それでは仕事が回らないのでは……と思いきや、一部の人間が土日を返上して働いているのだという。

「民間企業からの中途採用者には、今までの生活水準を変えたくないと、ものすごい量の残業代を稼ぐ人たちがいます。前職よりも給料が下がっているだけでなく、元同僚が出世して給料が上がるのを見ると焦るみたいですね」

◆副業が禁止されているぶん「残業」で稼ぐ

他にも子どもが生まれたり、家を建てたり、ライフイベントによってお金が必要になることは誰にでもある。しかし流行りの副業も、地方公務員は原則禁止されているとのこと。ノルマによるインセンティブもなく、昇格試験を受けられる時期は限られているらしい。

「だから今すぐ収入を上げたいと思ったら、残業をして稼ぐしかないんです。役所って手続きがあるから、土日も空いているじゃないですか。だから来れば、仕事ができるんです」

猛烈に残業する彼らが、休んでる人たちの分を相殺してくれているそうだ。働きアリの法則ではないが、世の中はうまくできているのだろう。

◆人気の職業になる日も近いかも?

先ほどご紹介した地主公務員の“やることがないから公務員になった”というような志望動機は何であれ、彼らがいなくては私たちの生活は成り立たない。SDGsにも関わることができて、出世争いもなく、定時帰りでプライベートも充実できる――ひょっとしたら地方公務員が人気の職業になる日も、近いのかもしれない。

<文/綾部まと>

【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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