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クマの目撃情報に“丸腰でパトロール”…「教員の命はどうでもいいの?」元小学校教員が語る壮絶な労働環境

日刊SPA! / 2024年7月10日 15時54分

◆深夜0時までモンスターペアレント対応

 担任発表があったその日から、毎日電話をかけてくる保護者がいました。しかも、3時間くらい話し込むんです。内容は、我が子の特性、配慮して欲しいこと、〇〇ちゃんとは過去に喧嘩したからグループは分けて欲しい、などなど…深夜0時まで話したことも一度や二度ではありません。特に担任に不満があるわけではなく、ただ、聞いて欲しい人なんです。

 当時の勤務校は、保健室のベッドの近くに電話があったので、ベッドに寝ころびながら電話対応したこともあります(笑)。6月頃になると落ち着いてきましたが、それでも週に1回は電話がかかってきました。そうまでしても、この保護者との関係を崩したくなかったのです。

 この保護者は過去に友人関係トラブルで担任の指導に納得がいかず、学校に怒鳴り込んできた要注意人物です。敵とみなされてはその1年が地獄になってしまいます。地獄を回避するために毎日電話がんばりました…そんな努力もあって「先生、ありがとう♡」の言葉とともにその1年は終わりました。この言葉を引き出すために、私がどんなに苦労したかは知らないだろうけど…

◆クマが出没したら教員総出でパトロール

 それって教員の仕事??と思うことも多々ありました。今でも心に残っているのが、放課後のパトロール。放課後、地域住民からクマの目撃情報が入りました。校長がどんな命令出したと思います?教員が総動員でパトロールに駆り出されました。もちろん丸腰ですよ。全員分の武器なんてありません。

 申し訳ないけど、もしクマに遭遇したら私は100%負ける自信があります。教員の命はどうでもいいんですか?ちなみに、不審者情報が入った時も同様の対応です。子どもの安全を守るのは大切ですが、教員は不審者に襲われてもいいんですか?

◆教員不足が加速するのは当然

 労働者であれば当たり前にもっている権利を、教員はもっていないのと同じです。制度が変わって労働環境が改善されると期待していた教員は、問題を先送りにする文科省に見切りをつけて次々と辞めていきました。私も同じ理由で退職しました。

 このままでは教員不足はさらに加速し、教育崩壊も目前です。一部の自治体、学校ではすでに崩壊が始まっています。日本の未来をつくる素晴らしい職業である教員。労働環境が改善し、再び人気職業に戻る日を願うばかりです。

【あや】
勤続10年の元小学校教員で、現在は民間企業人事部に勤める。会社員・副業ブロガー・Webライターの三刀流で働きながら、教員の転職・副業・働き方改革について発信中。「がんばる先生を幸せにする」のがモットー。X(旧Twitter):@teach_happiness、ブログ:https://teacher-happiness.online/

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