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黒い高級車で「あおり運転」してきた“夜なのにサングラス”の男性が警察に捕まるまで

日刊SPA! / 2024年7月13日 8時53分

「黒い車は、私の車をかすめるようにして、しかもクラクションを鳴らしながら抜き去って行ったんです。車はあっという間に消えていきました」

 “何もなくてよかった”とホッとした鈴木さん。しばらく走ると、予想外の光景を目の当たりにする。

「交差点にパトカーの赤色灯が見えました。そして、その前には、あおってきた黒い車がいるじゃないですか! この場所では、『パトカーが見張っている』と聞いたことがありました。あの勢いのまま走ったところで捕まったのでしょう」

 鈴木さんの車は、“夜なのに黒いサングラス、あごにマスク、赤いシャツ”の男性が警官にペコペコしている真横を通り過ぎた。

「男性の車からは、大音量のエド・シーランのシェイプオブユーが聞こえてきて、何だか笑ってしまいました」

◆接近を繰り返しクラクションを鳴らし続けるセダン

 後藤直樹さん(仮名・30代)は数年前、九州のとある道の駅を出て国道を走りはじめたときに、あおり運転に遭遇した。

「後方から、かなりのスピードで近づいてきたセダンに、クラクションを鳴らされました」

 一車線の国道で対向車線も車が多かったため、その車は後藤さんを追い抜くことができずに、イラ立っていたという。後藤さんの車に接近を繰り返しては、何度かクラクションを鳴らしてあおってきたそうだ。

「バックミラーから覗いてみると、私に向かって怒鳴っているようでした。恐怖を感じましたが、スピード違反にならないように注意して運転していたんです」

 しばらくすれば、“落ち着いてあおり運転をやめるだろう”と、後藤さんは思っていた。しかし……。

「数分経ってもクラクションを鳴らし続けていました。危険だと思い、警察に連絡しようとしても信号もなく、止まることができません。やっと対向車線の車が途切れた瞬間でした」

◆追い抜こうとしたその先には

 そのタイミングを見計らうように、セダンは対向車線に入り、後藤さんの横を並走。そして、幅寄せし、大声で怒鳴りながら抜き去ろうとしていたという。

「彼は『おい、こら!』のあとに何か言っていましたが、恐怖で聞き取れませんでした」

 そして、ちょうど後藤さんを追い抜こうとした瞬間……。

「すぐ先に“オービス”が設置されており、“ギラッ”と赤く光ったんです。運転手もオービスが光ったことに気づいたようで、『しまった!』と驚いたようすでした。相当な悪質運転をオービスに撮影されていたのですから、動かぬ証拠ですよね。出頭通知が届いて運転免許停止処分になったと思いますよ」

 頭に血が上った状態であおり運転をしていたため、周囲の状況を把握する余裕がなかったのだろうと、後藤さんは話す。

「加害者が痛い目に遭ったその経験を思い出すたびに、“スカッ”とします。やはり悪いことをすると、必ず自分に返ってくるんですね」と、後藤さんは締めくくった。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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