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“学費値上げ”にラップで抗議する現役東大生DJ「東大の内部にいるからこそ」

日刊SPA! / 2024年7月19日 8時49分

法念:これまで学内外を問わず、さまざまな形で運動を行ってきた学生が多くいた事実は無視できないでしょう。報道が出た5月15日、私自身は東大生たちとの飲み会の最中でしたが、「これはまずいね」と一緒にいた人たちと言い合っていました。その間にも反対運動を呼びかける人たちがXで何名か現れ、なかには五月祭でアクションを起こそうというものもあり、私もとりあえずそれに参加することにしました。

◆学費値上げは「多様な学生が入学する妨げになる」

――お2人が学費値上げに反対する理由を教えてください。

法念:大きく分けて2つあります。1つは自分自身の問題で、博士課程への進学を考えているために学費の値上げは自分の将来に大きく影響しうるからです。もう1つはいわば社会正義の問題で、学費値上げは多様な背景を持つ学生が入学する妨げとなると考えるからです。

例えば、東大には授業料免除制度がありますが、学部生は基本的に独立生計での申請が認められていません。つまり、例えば進学に親の理解が得られず学費を払ってもらえない境遇にある学生は、授業料免除を受けられない可能性が高いのです。しかも授業料免除や多くの奨学金は、入学してからでないと審査結果がわかりません。私は、学費は無償化するか、せめて学生が自分で払える額に引き下げるべきと考えています。

ぷらむ:ヒップホップの世界で親と不仲で家を飛び出したり、お金がなくて大学に行けなかった知り合いを何人も見てきました。「書を捨て見てきた場所ならunderground/言葉と音から学んだ格差/大学に行く金なんかなかった/ペンすら握れない仲間が数多」という歌詞は、その人たちの顔を思い浮かべながら書いています。東大に限らず、広島大学や熊本大学など他の国立大学でも学費値上げを検討しているそうで、経済力ある家庭の子のみが教育を受けられるのは本来、学問があるべき姿に反すると思っています。

◆DJをつかった活動での効果を実感

 ――法念さんは6月3日からは駒場キャンパスの生協食堂前で1週間あまり、お昼休みに学費値上げ反対を訴えるDJ活動もされていました(その後、昼休みに別のイベントが始まり現在は休止中)。なぜ始めようと思ったのですか。

法念:当初は本郷のデモに参加していましたが、駒場でも運動の一つの形をつくろうと思ったからです。

DJをつかった活動は道ゆく学生にもかなり受けがよかったですね。実際、それを受けて「総長対話」の前後の集会でも主催からDJの要望があるなど、抗議活動の一つの形として一定の効果があったと実感しています。

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