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激辛チップスで「病院送りの高校生」を責めるのはお門違い。「食を提供する側の責任」を問う

日刊SPA! / 2024年7月21日 8時46分

激辛ブームの流れからか、テレビのバラエティ番組などで激辛メニューをタレントなどが食べてコメントしたり、演出としか思えないようなリアクションをするシーンも増えました。ブームがエスカレートし、今回のような事故が起きた背景には、このような番組の影響が大きいかと思います。私は以前からSNSなどで警鐘を鳴らしていました。

そのような番組に出演するタレントの中には、本当に激辛好きの人もいるでしょう。でも、そうでないタレントの場合、自身の露出のために我慢して食べた結果、体調を崩しているかもしれません。

私の根底にあるのは「食を提供することでお客さまに喜んでいただき、その人の人生を豊かにする」というものです。これは、ほとんどの飲食店でも飲食料品メーカーでも同じだと思います。ゲーム感覚で激辛メニューを食べさせるような番組に協力している飲食店は、自分たちのビジネスのプロモーションや利益を優先しているのではないでしょうか。健康を害してしまうレベルのものを提供する人たちは、食を扱う者としての知識も勉強も足りないのです。食べた人の命にかかわることもあるということを、食に携わる者はしっかりと認識しなければなりません。

◆食べる人のことを考えた仕事のやり方を考え直すべし

今回、問題のポテトチップスを持ち込んだ高校生が責められる向きもあるようですが、みんなに楽しんでもらいたかっただけであり、悪意があったわけではありません。また激辛食のリスクについて知識があったわけでもないのです。この高校生を責めるのはお門違いです。彼らはみな、間違いなく被害者なのです。

このポテトチップスを作ったメーカーに対しては、食を提供する者としての責任を感じて、仕事のあり方についても考え直してほしいと思っています。パウダー状の香辛料で辛さを調節できるという言い分はあるでしょう。しかし「18禁」などという訴求方法で、消費者がそれをどう扱うか、想像できたはずです。マーケティング上、激辛というワードで尖らせたかったという事情は理解できます。尖れば尖るほどSNSなどでバズり、他の自社製品の売り上げも伸び、流通上、店舗の商品棚を確保しやすくなるという事情もわかります。しかしそれはメーカー側の事情でしかない。それを口に入れる消費者のことを考えていないのです。当該商品はすぐに販売中止にすべきです。

飲食店でもメーカーでも、食を提供する人たちは自分たちのことばかりでなく、視野を広く持ってほしいと思います。今回のように食べた人を不幸にしてしまうような仕事のやり方はもってのほか。「どうすればお客さまに喜んでもらえるか」を考えた仕事のやり方を、この事故をきっかけにあらためて考え直してほしいのです。

<TEXT/永田ラッパ>

【永田ラッパ】
1993年創業の外食産業専門コンサルタント会社:株式会社ブグラーマネージメント代表取締役。これまで19か国延べ11,000店舗のコンサルタント実績。外食産業YouTube『永田ラッパ〜食事を楽しく幸せに〜』も好評配信中。

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