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終電間際、乗客同士のトラブルで車内は「まさに“地獄絵図”」泥酔サラリーマンが限界突破して…

日刊SPA! / 2024年7月22日 8時54分

◆いつまで“寝たふり”を続けるのか…

 電車は急停車したまま動かず、サラリーマンは起きず、ギターケースの汚れは落ちないまま、10分が過ぎた頃だった。

「起きてください」

 ついに、被害者のお兄さんが声をあげた。もちろん、サラリーマンは寝たふりをして起きない。

「起きてください、起きてください」

 だんだん語気が強まっていく。絶対に起きるボリュームだったが、サラリーマンはびくともしない。先ほどまで優先席に座っていた人たちは、すでに立ち上がって避難していた。優先席にはサラリーマンが1人。

 大きく肩を揺らされて「もう寝ている設定は無理なのでは……」と、そこにいた全員が思っていただろう。

◆名刺入れを死守しようとするサラリーマン

 彼の胸元のポケットには名刺入れがあった。

 お兄さんが名刺入れを抜き取ろうとすると、なんとサラリーマンは急にその手をシュッと抑えた。「さすがに起きたのか?」と思いきや、目はきっちり閉じていた。

 寝たふりを続けながら胸元の名刺入れをとられまいと両手で抑えるサラリーマンにお兄さんは声を荒げた。

「おい!ふざけんなよ!」

 まわりの乗客はみんな失笑、「起きてちゃんと謝りなよ」という声が聞こえてきた。

 お兄さんはぶんぶんとサラリーマンの手を振り回し、ついに名刺入れを抜き取った。だが、それでも目を閉じたまま名刺入れの端っこを掴んで離さなかったので、筆者も他の人たちも爆笑してしまった。起きてるじゃん!

 お兄さんは名刺入れから、名刺を1枚取り出して「明日会社に連絡しますね」と声をかけると、次の駅でさっそうと降りていった。

 サラリーマンは体勢を変えることなく、ずっと寝たふりを続けていた。「この人は寝たふりをいつまで続けるんだろう?」と興味はあったが、国分寺に着いてしまったので、その後のことはどうなったかはわからない。飲み過ぎは良くないですね……。

<文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

―[乗り物で腹が立った話]―

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