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結婚披露宴では「他人の友人スピーチ」も…サクラ歴10年のベテランバイトが語る“知られざる修羅場”の数々

日刊SPA! / 2024年7月24日 15時51分

 チケット代はおろか、ギャラを払ってまでお客を集めなければならない事情--。それにはエンタメ界の慣例となっている「チケットバック制」が大きく影響しているようだ。チケットバック制は出演者のギャラの管理だけではなく、出演者1人ひとりの集客力を測る目安にもなっているらしい。そこでサクラの出番となるわけである。

 エンタメ系のサクラで印象深いのが、某プロレス団体の興行を観に行ったときである。会場のある新木場の駅前に集められたサクラはその数30人以上。登録スタッフだけでは足りず、サクラの友人、知人にまで参加の呼びかけが行われた。

 メインイベント前、リングアナウンサーも務める団体代表が客席に問いかける場面があった。

「本日、当団体の大会を初めて見に来たというお客さん、手を挙げてくれますか?」

 ほとんどすべての客が手を挙げたのは言うまでもない。

◆企業の「社運を賭けた一日」に思い入れもなく参加

 サクラ業のなかで難易度の高いのがビジネス関係の仕事だ。

 たとえば、筆者は某ゲームアプリ会社から依頼が来た「スポンサーとなってくれそうな企業の内見の場で社員に扮し、会社を実際より大きく見せる」という現場に立ち会ったことある。

 サクラとして与えられた業務は内見の現場でパソコンのモニターを眺めているだけでよかったが、クライアントであるゲームアプリ会社にしてみれば会社の命運を賭けた一日だったろう。その心中を察し、おのずと筆者のモニターを見る目にも力が入った。

 また、コロナ禍には、とある飲料メーカーによる元有名スポーツ選手を招いたオンライン講演会の撮影にサクラ2人のうちのひとりとして立ち会ったことがある。

 筆者は飲料メーカーと契約している大手小売店の販売部長という肩書。もうひとりのサクラは上役の取締役だったのだが、事件はこの上役が引き起こした。

 仕事を終え一緒に帰っていると、「クライアントが用意した元スポーツ選手との挨拶原稿を現場に置き忘れた!」と言うのだ。事情を知らない人間の手に渡ったら一大事である。すぐに引き返して事なきを得たようだが、同じサクラとして冷汗が出た瞬間だった。

 ちなみに、この講演会は双方の会社の担当者が契約を続けるために仕組んだダミーで、撮影されたビデオは永遠に闇に葬られるという。

◆「ブスを10人以上集めるの大変なんだよ」

 このように、サクラと一口に言っても誰もが務まるわけではない。以前、遠方に結婚披露宴の仕事で出かけた際、帰りの車中でサクラを束ねる代理出席業者がこぼした言葉が深く記憶に残っている。

 なんでも、近々、都内のとある自治体が主催する街コンの手助けを頼まれたらしいのだが、女性のサクラを10人以上集めなければならないという。

「男の参加者から連絡先も訊かれないようなブスを10人以上集めなければならないんだから大変なんだよ」

 シビアな世界である。

<文/ボニー・アイドル>

【ボニー・アイドル】
ライター。体験・潜入ルポ、B級グルメ、芸能・アイドル評などを中心に手掛ける。X(旧Twitter):@bonnieidol

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