1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

法務省の石看板に“赤色のスプレーを噴射した”40代男性。「信じられない動機」が裁判で明らかに

日刊SPA! / 2024年7月24日 15時52分

 そして検察官による冒頭陳述で、被告人の生活状況などが明らかとなった。

 検察官によると、被告人は過去にも刑務所への服役経験があったという。出所後は、一度は東京へ上京してきたものの、地方にある社会復帰を目指すための民間のリハビリ施設である「ダルク」へ自ら入所し、着実に社会復帰を目指そうとしていた。その後、再度上京してきたところで今回の事件を起こしたという。

◆被告人が語った「信じられない動機」

 事件前日、被告人は法務省の前にある日比谷公園で飲酒するなどして過ごしていた。その時、法務省前の屋外掲示板に貼られている「再犯防止啓発月間」や「人権尊重」を訴えるポスターが目に入ったという。

 そのポスターを見て、「なにが再犯防止だ!」、「なにが人権尊重だ!」と腹が立ち、自分で抑えることはできなくなってしまったのだ。

◆“ドロボー呼ばわり”された過去

 なぜ腹が立ってしまったのか、その要因は被告人の“とある過去”にあったという。被告人は過去に服役経験があり、刑務所や社会復帰後に「ドロボー呼ばわりされた」と感じていたらしい。そしてこのポスターを見て、この経験が脳裏によみがえったというのだ。

「ポスターを見て、強い怒りの感情が出てきました。前の件で、警察署から始まって、拘置所、刑務所、出所後もドロボーといわれ、なんでここまで言われるのかなぁと」(被告人質問から)

 怒り心頭の男は、こんなポスターを掲示している法務省にやつあたりしてやろうと思い、その足で銀座の量販店に行き、赤色スプレー缶やエナジードリンクを購入。この時、一度は水性のスプレー缶を手にしたが、油性の方が落ちにくいということから油性スプレーを買ったという。

 その後、法務省前に戻り、屋外掲示板にエナジードリンクを投げつけたり、スプレーを噴きかけたりして犯行に及んだ。

◆被告人質問で語られたこと

 証拠調べの後、被告人質問が行われた。

弁護人「なぜ今回犯行に及んだのか」

被告人「我慢しきれなくなってしまったというか、自暴自棄になってしまいました」

弁護人「今後、再び犯罪をしないためにどうする」

被告人「過去のことは変わらないので、自分が少しでも変われるように福祉の力を借りて、我慢して努力していきたいです」

 一方で、検察官は犯行の悪質さを指摘する質問もあった。

検察官「石でできたものに油性のスプレーをかけたら、元通りにならないなとは思わなかった」

被告人「過去に清掃の映像を見たことがあったので、元通りにならないとは思ってもいませんでした」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください