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夏場になると「孤独死現場の依頼が増える」理由とは?特殊清掃人が語る壮絶な仕事

日刊SPA! / 2024年7月25日 15時53分

 いつもはビルの掃除とかをしていた業者の方々が、突然、腐乱死体現場を清掃させられる。そういうパターンでは精神的におかしくなった人はいたのではないかと思います。人型に染み込んだ体液の処理やこびりついた髪の毛の処理、強烈なニオイ……病んでしまう人がいるのは想像できます。僕も遺品整理をしていて、亡くなられた方の生活と自分の生活を重ね合わせてしまい、病みそうになったことは何度もあります」

◆どうして特殊清掃でニオイが取れるのか?

 床に染みついた人型のシミなどは建物の構造によってはかなり清掃しにくい場合があるという。

「腐乱場所の掃除の仕方でいうと、まず体液があった場所を掃除して洗浄をかけてキレイにするんですけど、それでもニオイが取れなかったりすると部分的な解体工事をするんですよ。例えば、フローリングをマルノコやノコギリを使って解体するのですが、フローリングを取るとベニヤ板の下地が出てくるのが定番なんです。でも、そこがコンクリートだった場合はかなり面倒臭いです。まず表面を綺麗にして、そのあと上から消臭をして、さらに塗装して油膜で密封する。

 私たちは専門の薬品を使用して臭いの元から物理的な除去を行うことができるのですが、業社によっては対処療法のように表面の消臭のみを行うんです。なので、いまでもコンクリート打ちっぱなしの物件などは、コンクリートに体液が染みついたままの物件はあるのではないかと推測します」

◆背筋が凍るほどの凄まじい現場

 今まで、数え切れないほどの孤独死現場の清掃をしてきたが、背筋が凍るほどの凄まじい現場に遭遇したこともあるという。

「孤独死というか自殺された方の家だったのですが、壁に自分の手に血をつけて『怨』という字を書いて、足元で亡くなっていた現場もありました。他にも精神がおかしくなっていく過程の日記を書いている人もいました。最初は事故を起こしてしまい加害者側になるところから始まるんです。『一生償って行かなくてはいけない』というところから日記が始まるのですが、どんどん字が書けなくなっていって、最後、自殺してしまった方など。そういう現場の時は、かなり精神的に疲弊します。日記も依頼主のご遺族に見せるか見せないか、かなり悩みました」

 孤独死する年齢で多いのは50〜60代が多く、70代〜80代になると少なくなるようだ。おそらく若くして不摂生での突然死が多いのではないかと推測される。年々増え続ける孤独死案件の仕事で現場は常に人手不足の状態のようだ。

「いまは仕事を振って、専門的な作業を迅速に行なってくれる提携業者を増やし、なるべく最短で現場作業に移れるように日々、努力を続けています」

<取材・文/山崎尚哉>

【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦

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