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ミスドの“快進撃”が止まらない。競合にない「お土産需要」が大きな強みに

日刊SPA! / 2024年7月25日 8時53分

 ミスタードーナツは2024年7月に一部商品の値上げを行いました。2021年、2022年、2023年にも価格改定を実施しています。全店売上高の推移を見る限り客離れが起こっている様子がありません。商品力を高めて果敢に値上げを行うのも、好調な飲食店の特徴と言えるでしょう。

◆ミスドはなぜ競争力が高いのか

 ミスタードーナツには、競争力の源泉となっている3つの因子があります。1つ目は認知度の高さ。2つ目は自分用とお土産用という2つの需要を獲得していること。3つ目は代替ブランドがないことです。

 マーケティングリサーチなどを行うRJCリサーチは、カフェチェーンの認知度調査を行っています(「カフェのブランド調査」)。トップはマクドナルドで94.1%、2位がスターバックスコーヒーで93.1%。3位がミスタードーナツで92.5%。
ミスタードーナツは、ドトールやコメダ珈琲店、サンマルクカフェなどのカフェチェーンを上回る認知度を獲得しているのです。

 なお、ドトールの店舗数は1065。ミスタードーナツが1017。ドトールの認知度は82.7%。店舗数が劣っているにも関わらず、ミスタードーナツは認知度において10ポイント以上も差をつけています。

 もともとミスタードーナツは高級路線を打ち出していましたが、バブル期に所ジョージさんをイメージキャラクターに据えて親しみやすさと手軽さを積極的にアピールするようになりました。このころに圧倒的な認知度を獲得できたものと考えられます。

◆「お土産需要」も満たす希有な存在

 お土産需要の受け皿となっているのも強みの一つ。ロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供するスパコロは、「利用実態調査 ミスド編」を公開しています。利用目的を調査した結果において、お土産が必要なときと回答したのは29.2%。小腹がすいたときの40.7%に次ぐ高さ。

 ちょっとした食事や休憩であれば、ハンバーガーショップなどのファーストフード店、カフェチェーンなどを想起する人が多いでしょう。家族や友人などに手軽なお土産を買おうと思えば、「BAKE」のチーズケーキや、「ビアードパパ」のシュークリームを思い浮かべるかもしれません。

 ミスタードーナツはこの2つの需要を満たすブランドになっています。つまり、その代わりになる競合ブランドが欠けているのです。

 ミスタードーナツは都市部の未出店エリアへの出店や従来型店舗の改装を行っています。更なる拡大に期待できるでしょう。

 <TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

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