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生活保護を受給する21歳男性。「親の顔は知らない」児童養護施設での暮らし、路上生活…語った“これまでの人生”

日刊SPA! / 2024年7月25日 8時52分

貧困支援は万能ではない。

◆現代は日本人全体が孤立化している

「現代は日本人全体が孤立化しているように思います」

そう話すのは、生活困窮者やホームレスの支援活動を行うNPO法人「ほっとプラス」理事の藤田孝典氏。

「両親共働きの核家族化が進み、現在は家庭内で人との関わり方を学ぶ場面が減っています。それもあって人に頼る方法がわからない若者が増え、両親に頼れないならと家を飛び出すしかなくなってしまう。また、SNSが普及して人との交流がしやすくなったのも事実ですが、SNSはその特性上、交流する相手を自分で選べてしまうため必然的に閉鎖的になっていってしまうんです」

その後の行動も、現代的だと藤田氏は続ける。

「相談に来る方の内訳を見ると、路上で生活する若年層は約1割。残りの9割はネットカフェや友人宅など、寄宿先がある、いわば見えざるホームレスたちです」

◆路上で暮らす若者たちの実態

自身が路上生活を送る模様を綴った『ルポ路上生活』著者の、ルポライター・國友公司氏も「低収入の若者は増えているが、100%路上で暮らす人はわずか」と話す。

「シェアハウスの普及で安価に住居を得られるようになり、路上生活を免れている若者は多いはず。仮に一度路上生活をすることになったとしても初期費用が低く抑えられ、物件によっては光熱費込みのシェアハウスは、生活立て直しのしやすさの面でも一役買ってます。一方、路上で暮らす若者と話して感じたのは、著しく社会性が低い人が多い印象です。彼らに共通するのは、その日暮らせればいいという考え方。隙間バイトや炊き出しで食うには困らないので、寝床さえ確保できればなんとかやっていける時代になったことも見えざるホームレスが増える要因ではないでしょうか」

若年ホームレスはこれからも増えるのだろうか。

【ソーシャルワーカー 藤田孝典氏】
NPO法人「ほっとプラス」理事。ホームレスや生活困窮者支援活動に従事。大学で「現代日本の貧困問題と生活支援」を専門に授業も行う

【ルポライター 國友公司氏】
主にアンダーグラウンドな分野を取材し、発信している。著書に『ルポ西成』『ルポ路上生活』『ルポ歌舞伎町』などがある

取材・文/週刊SPA!編集部
 ※7月23日発売の週刊SPA!特集「[親ガチャ貧困]の実態」より

―[[親ガチャ貧困]の実態]―

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