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回転寿司チェーンで“ひとり負け”状態のかっぱ寿司。大手3社と分かれた明暗

日刊SPA! / 2024年7月26日 8時52分

◆生産性向上に向け、飲食店DXを各店が競う

 現在は業界横断的な人手不足もあり、オペレーションの効率化を課題に、飲食店DXの推進を各店が競っている。予約はスマホ、席案内はデジタル案内板、注文はタッチパネル、料理提供はベルトコンベア、会計はセルフレジと、人に依存しない効率的なシステムで運営されている。

 お客もこのスタイルに慣れ親しんで、何の違和感もなく普通に楽しんで食事をしており、店側の業務効率化によるコスト削減のメリットがさらなる商品価値の向上に繋がることを期待したい。

 原材料高、エネルギーコスト高、円安、人手不足と賃金上昇機運の高まりなどで、飲食店の事業運営には大きな逆風が吹いている。何でも値上がりする環境の中で、いかに損益分岐点の低い店作りをするかが栄枯盛衰の分岐点になる。人とロボットとの最適な協働体系を確立し、販管費の低減に向け効率的なオペレーションを追求してほしい。

◆回転寿司業界の将来!

 これからも各社が競い合って、市場のさらなる拡大が予想される。各店が成長に向け、①仕入れ力の強化、②顧客に魅力ある品揃えの強化と自店の適正な利益確保、③DXも含めたオペレーションの強化に磨きをかけて競争優位性を獲得するであろう。

 回転寿司業界を取り巻く環境では、まず供給面で地球温暖化や海洋汚染から、水産資源保全の観点からも、海産物たちが生きている海を何とかしないといけない。海水温の上昇や世界的な人口増加、ウクライナ危機などを背景に、漁獲量の減少や魚価格の高騰が、回転寿司の経営を圧迫することが懸念される。

 需要面でも、日本人の魚離れが深刻で20年間で半減しているそうだ。生臭い、調理が大変などが主な原因だが、昔と違い元気な高齢者が多く、肉食が増えているのは事実で、ネタの種類も魚から肉系が増えているようだ。もちろん、家庭で食べなくなった分を、安く食べさせてくれる回転寿司チェーンへの来店が増えるかもしれない。こういった環境から、今後の需給バランスがどう変化するかは難しいところだ。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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