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インバウンドの期待と中国系エアラインでお得に世界へ。50周年目の「日中航空路」開設に至った背景

日刊SPA! / 2024年8月5日 8時51分

 日本政府は2030年までに年間インバウンド観光客数を6000万人にするという目標を掲げている。この目標を達成するためには、中国からの観光客の回復が不可欠である。中国は世界最大の国際観光旅客供給国であり、日本にとって重要なマーケットである。

 では、どのようにして中国人観光客を再び日本に誘致することができるのであろうか。

 日本の観光地や文化を中国国内で積極的に宣伝することが重要である。特にインフルエンサーの意見に影響を受ける人々の多いお国柄から、SNSを活用したプロモーションは当然として、中国でのLINEにあたるWeChatをもっと使いこなせるようになれば中国人の関心を惹くことができる。

◆ビザ発給の緩和、直行便の増加

 さらに中国からの観光客が日本を訪れる際のビザ発給手続きを簡素化し、迅速化することが求められる。個人旅行には経済力を証明する年収制限をさらに下げることも必要だ。観光ビザの取得が容易になることで、訪日意欲が高まるであろう。

 日中間の直行便を増やすことで、移動の利便性を向上させることができる。特に日中双方の地方都市間の直行便を充実させることで、地方への観光客誘致にも繋がるであろう。

 一例では、静岡空港杭州と結ぶ北京首都航空の存在がある。両国の地方同士を結ぶ航空路として格好の事例になる。静岡県は、富士山という観光資源があり、杭州には西湖という世界遺産がある。徐々に航空路線は戻りつつあるが、コロナ禍前の便数には戻っておらず、まずはコロナ禍前を目指す必要がある。

◆50周年から共に歩む未来

 日中航空路開設50周年という節目は、過去を振り返りつつ、未来を見据える良い機会である。現在の両国関係は決して友好的とは言えない。しかし、国同士の政策の違いはあるものの、民間交流は継続していく必要があることは言うまでもない。日中両国の関係をさらに強化し、観光交流を促進することで、6000万人のインバウンド観光客達成という目標に近づくことができるであろう。

 二国間交流は、一方通行でよい訳がない。現在、日本人の中国渡航はいまだにビザが必要であるが、乗り継ぎに関しては免除されている。これを機会にコロナ禍前に話題となっていた日本発着で「お得に世界へ」向かう航空運賃をエアラインのホームページで探してみてはいかがだろうか。

 中国国際航空では、マドリード、パリ、フランクフルトなどが往復11万円台で出ている。中国東方航空は、ローマ、イスタンブールが8万円台で、中国南方航空は、シドニー、メルボルン、ブリスベンを宣伝しており、欧州・中東・日系各社と比較してかなり安く利用することが出来る。

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 日中両国のさらなる協力と交流が、両国の経済発展と文化理解を深める鍵となる。50年という歴史を土台に、これからの50年も、両国が共に歩む未来を築いていくことを願ってやまない。

<TEXT/北島幸司>

【北島幸司】
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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