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「お化けだ」「気持ち悪い」生まれつき“顔のアザ”に悩んだ男性が語る半生。精神疾患になる人も

日刊SPA! / 2024年8月15日 15時52分

 その内容は、外見の問題で自殺した人の遺族やひどいやけどを負った人、生まれつき髪の毛がないなど、深刻なものが多かった。「一緒にお茶飲みくらいではすまねえな」と思った石井氏は、任意団体ユニークフェイスを立ち上げる。

◆アザがあっても女性と交際していた

 顔の問題は「モテ」にも直結する部分があるが、恋人などはできたのか。

「こういう顔をしていると女のフィルターをかけやすいです。嫌悪感を持つ人は寄ってきませんから」

 そんな石井氏は後に離婚するものの結婚もし、子どもが2人いる。結婚前には、2桁の女性と付き合ったという。

「2年で一人つきあって別れる。20年経って40歳をすぎれば2桁はいくでしょう。子どもに遺伝するのではと、子どもを作ることを怖がる人がいますが、心配いりません」

 単純性血管腫の当事者の話も聞き、論文も読んだが、遺伝は確率的にほぼゼロだと断言する。「ほかの先天性の疾患になる可能性まで考えたら、気にする必要はないです」。

◆若い当事者たちに伝えたいこと

 現在はピアサポートや当事者会を開催する石井氏。顔のアザで差別を受け、精神疾患になっている人もおり、深刻な内容が多かったという。

「18歳を過ぎて社会に出てからは周囲も大人ですから、礼儀作法を身につけている。トラブルらしいトラブルはなかったです。私は普通に生きていますが、若い世代の当事者は、1人ぼっちで考えている。だけど、できる範囲でいいから、顔と名前を出して、この問題を発信していって欲しい」

 そんな石井氏は人生を旅だという。

「人生、1回きりだと思っているし、志半ばで死ぬ人もいます。60歳までに『顔面バカ一代』の続編にあたる単行本を出版したいのと、死ぬまでに100人の当事者の人生をインタビューと寄稿文でまとめた『ユニークフェイス生活史』という書籍を出したいです」と非常に前向きだった。

<取材・文/田口ゆう>

【田口ゆう】
ライター。webサイト「あいである広場」の編集長でもあり、社会的マイノリティ(障がい者、ひきこもり、性的マイノリティ、少数民族など)とその支援者や家族たちの生の声を取材し、お役立ち情報を発信している。著書に『認知症が見る世界 現役ヘルパーが描く介護現場の真実』(原作、吉田美紀子・漫画、バンブーコミックス エッセイセレクション)がある。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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