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元セクシー女優は“普通の仕事”に転職できるのか。過去を隠して面接に挑んだ結果――大反響・傑作選

日刊SPA! / 2024年8月16日 15時44分

 それにセクシー女優といえど給料をもらっているし、納税はしているしで“無職”と言い切るのに違和感を覚えた。

 とはいえ、堂々と事実を書く気はない。そこで私は言い方を少し変えて、脱がない女優をしていた体で話を見事にでっちあげたのである。

 経歴詐欺と指摘されればそれまでだが、もう時効だと思っているので許してほしい。

 親の介護など“よくある言い訳”をすれば良かったのかもしれないけど、介護や家事手伝いは転職時、経歴について深く言えない人々が使いがちな常套句となりつつあるらしい。最近は企業側も敏感になっているそうなので、ツッコミを受けた時に答えられないようでは困ってしまう。

 腐っても一応女優をしていたのに変わりないので、黙々と書類を作り続けた。ダメもとで応募すると、予想外にも一次選考を通過!

「ぜひ面接にお越しください」というメールを何度も読み返しながら胸が高鳴っていた。

 まだ仕事が決まったわけでもないのに、この先に待ち受ける未来を想像してニヤけが止まらない。

 ポジティブバカな私は「よぉし、面接頑張っちゃうぞっ!」と完全に浮かれていた。基本的に幸福を感じるハードルが低い人間なので、一次選考に通っただけでスキップしそうな勢いに……。我ながら本当に浅はかで、簡単なヤツである。

◆拍子抜けした二度目の面接

 いざ面接当日。いくらポジティブバカの私でも緊張はするし、うまくいかなかった時のことくらいは想像するので、必死に深呼吸を繰り返し精神を落ち着かせていた。

 会社は自宅から15分程度の場所なのに、1時間以上も早く到着する始末。仕方がないのでカフェに入るが、余計な“待ち”の時間を作ってしまったことで、さらにソワソワしてくる。

 その間「就活生はこんな緊張を何度も繰り返すのか? すごくない?」と急に全国の大学生を尊敬し始めるなど、意味の分からない考えがグルグルと頭の中を巡る。私はもともと緊張するシーンに強くないのだ。結局、頼んだ紅茶にほぼ手を付けられないまま、戦場へ向かう。

 結果から書いてしまうと、面接は「超」がつくほど無難に終了した。

 採用担当者は「女優」という経歴にも深く突っ込まず、シナリオスクールの件も「へぇ」という、うっすいリアクションを繰り返す。でっちあげた部分について細かく聞かれる覚悟をしていたので拍子抜けしてしまった。

 いま思い返すと全体的に「へぇ」「はぁ」「ふん」のような感じで、この人たち私に興味ある? と心配になるくらい淡々としていたのである。

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