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話題のドラマ『錦糸町パラダイス』に地元民が感じた本気。物語の背後に透ける“現実の事件”

日刊SPA! / 2024年8月16日 15時51分

ガラス張りで大通りからよく見えたピカピカな醸造所はまさに錦糸町の「新しい風」という雰囲気だったので、私にとってもこの事件はショッキングでした。ただ、ドラマでも描かれているように、メンバーにどれだけスキルや情熱があっても、社会的な状況などでうまくいかないことは往々にしてあると思います(もちろん、どのような理由でも不正受給が肯定されることはありません)。

この事件に関しては、錦糸町の住民にとってはあまり言及されたくないことかもしれません。劇中でも、明確にそうとわかる形で描かれているわけではありません。しかし、このドラマ全体が、「綺麗事」だけではない人間や街の両面性を慎重に、丁寧に描いているので、そうとうに取材や調査をしたうえで制作しているのだろうと、長く錦糸町に住む私には感じられました。賀来賢人演じる主人公の大助自身も、後ろめたいと感じている「ある過去」を抱え続けながら、同時に「掃除屋」という過去を清算するような職を営んでいることが、この両面性を象徴しているように感じられます。

◆登場人物と同姓同名の人物がモデルになっていた!

次の「実在の人物」というのは、問題となった音楽アプリ制作会社の社長、浅香航大演じる「能光順」(たくみ・こうじゅん)です。この会社の事業は最終的に別会社に譲渡されるのですが、社長の能は会社の事業とは別に、引き受け手のいなかった「錦糸町フェス」という音楽イベントの運営を有志で引き受けることになります。もともと会社も、音楽に対する熱い思いから設立したものでした。

錦糸町で音楽フェスといえば、毎年10月に開催される「すみだストリートジャズフェスティバル」というイベントがあります。2010年に始まって年々規模を拡大し、いまでは錦糸町を代表するイベントのひとつとなっています。

この「すみジャズ」を立ち上げたのがまさに、「たくみ・こうじゅん」さんです。漢字はドラマとは微妙に異なり「能厚準」ですが、めずらしいお名前で読み方がまったく同じということで、さすがにご本人に取材をしているようです。

ただし、実在の能さんはもちろん、企業の不正に関わったことは一切ありません。あくまで「錦糸町の音楽フェスの立ち上げ」という部分だけがモデルになっています。また、じつは私も、行き着けの焼き鳥屋で能さんと一度だけお話ししたことがありますが、ドラマの「能」のように気取ったところのまったくない、良い意味で“錦糸町らしい”気さくな方でした。

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