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元セクシー女優の転職後。月収80万円から時給1000円でも仕事を続けられるのか――大反響・傑作選

日刊SPA! / 2024年8月18日 15時44分

 せっかく今日から社会へ復帰したのに、やっていることはニート時代と全然変わらなかったからである。

 こんなことで時給をもらっていいのだろうか、と申し訳ない気持ちになりつつ、初日が終了。

 ちなみに初出勤から1週間くらいまでは漫画を読むか、アニメを観るか、ゲームをいじるか、会議に参加するくらいのことしかやっていない。もちろん会議もその場に居るだけで、メンバーの意見交換に耳を傾けるだけの係だった。

※IP……Interllectual Properyの略称でアニメや漫画の版権を指す。つまり「ソシャゲのIPもの」とは元ある作品をゲーム化しているということ。

◆想像以上にできない「ダメな私」

 作業場で自己紹介をした初日のこと。私は大勢の人を前にして蚊の鳴くような声しか絞り出せなかった。もともとコミュニケーション能力が高い方ではないが、思っていた以上に緊張しいで、“自分の意見を伝えることが苦手すぎる問題”に直面する。

 セクシー女優時代は周りとうまくやれていたように感じたが、それはスタッフやマネージャーが気を遣って合わせてくれていただけ。私は彼らの気遣いを自分の実力と勘違いしていたのだろう。

 蓋を開けてみればただのコミュ障で、チームメンバーに話しかけられると言葉が出てこなくなる。頭では色々と考えているのに要点がまとめられず、結果的に何が言いたいのか分からない発言を繰り返していた。

 職場の人は優しかったので、私が「あうあう」と慌てていると助け舟を出してくれる。中にはニュアンスでなんとなく考えを汲み取ってくれる上司もいた。

 嬉しい気持ちと、もういい大人なのに……という自分に対する情けなさが同時に襲ってきて、悔しくてたまらない。何も言わなくても察してくれる撮影現場がいかに有難いものかを、卒業後に思い知った。

◆「楽をした分巻き返さなくてはいけない」という焦りとストレスの日々

 あまりの不甲斐なさ、そして新たな環境に身を置くストレスを感じたせいか、昼職復帰後はしばらく疲れが抜けなかった。スタミナはあるほうだが、週5日の連勤にも慣れていないため、土日は死んだように眠る。そして気づくと月曜日がやってきて……という生活を2カ月ほど繰り返していたように思う。

 今までは37度くらいのぬる~いお湯に浸かり続けるかのような毎日だったのだ。ラクをした分どこかで巻き返さねばならない。気持ちは焦っても体が全く追い付いてくれないことに、私はもどかしさを覚えていた。

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