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“町中華”の閉店が相次ぐ一方で、「餃子の王将」「バーミヤン」中華チェーンが好調のワケ

日刊SPA! / 2024年8月21日 15時54分

 売上、客単価は値上げの効果もあり、上昇している。その結果、過去最高の更新は続いており、30か月連続となった。しかし、4回目の値上げ後の7月度の客数だけが前年割れしているようで、今後の動向が気になるところだ。

 その点は自己資本比率が約75%と財務基盤が盤石で、運営力が強固な餃子の王将である。また集客に向けたキャンペーンを実施し巻き返しを図ってくるだろう。

◆すかいらーく、2ケタの成長ベース

 すかいらーくでは、セグメント別の業績を公表していないので、全体売上から推察してみたい。

【すかいらーくの損益状態(2023年12月期)】
売上3548億円、原価1149億円、原価率32.4%、営業利益1169億円、営業利益率3.3%

【すかいらーく業績の推移(2024年度1~7月)】
売上:110.5%→114.5%→114.5%→108.7%→111.1%→116.1%→104.5%
客数:109.4%→112.4%→112.4%→106.4%→106.7%→108%→96%
客単価:101%→101.9%→101.8%→102.2%→104.2%→107.5%→108.8%

 回復しつつあるすかいらーくは今年に入っても好調な業績で、前年に対してほぼ2ケタの成長ベースで推移していた。しかし、直近の7月売上は前年をクリアしているものの、伸び率は低下しており、客数は前年を下回っている。客数の減少が顕著なのは、値上げやクーポン券の割引率の低下の影響が、ここにきて業績に表れているのではと推察する。

◆中華チェーン店の役割は大きい

 町中華の主役である個人中華料理店。約7割を占める個人経営店の店主は60歳以上が7割程度。後継者不在などの理由で、店の減少に歯止めがかからない。

 日本には中華料理が好きな人が多いだけに中華チェーン店の役割は大きい。中華だけの単一事業で、市場を積極的に攻めシェアを高める餃子の王将と、外食売上3位の経営基盤を活用し、複数ブランドのシナジー効果を得ながら成長するバーミヤン。

 異なる経営路線の両社の事業展開だが、町中華との共存共栄で、いい意味で競いながら、そして補完しつつ、さらなる成長を目指してほしい。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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