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1畳半のネカフェで暮らす36歳「ある日会社に借金の取り立てが…」語った“親との確執”と“教育虐待の過去”

日刊SPA! / 2024年8月24日 8時54分

居場所を転々とする生活は初めてではない。30歳になった年、やっとの思いで実家を飛び出して以降は、大阪・西成でドヤ生活をしていた時期もあったという。取材で会ったときの所持金は残り2万円。たまにパチンコの打ち子のバイトを見つけては、数千円の収入を得ているというが、すぐに底を突く。

「カネがなくても、楽しむしかないと悲観はしていません。息苦しかった実家の頃より、生きている実感があるので。ただ、これからどうやって軌道修正するかが悩みです。社会福祉士に相談したら、自己破産を申し立てるのがいいと言われたので、それが目下の目標です」

生活が安定すれば、親との確執を乗り越えられるのか。今がその正念場かもしれない。

◆新しい「貧困の悪循環」が起こる要因は?

株価は史上最高値を更新し、就職戦線は学生優位の「売り手市場」が続く昨今。「新卒初任給引き上げ」報道をどこか羨んで見ている世代も少なくない。

「こうした恩恵を受けるのは一部の優秀な学生だけ。多くの若者の暮らし向きはむしろ悪化しています」

貧困問題に詳しい作家の吉川ばんび氏は語る。

「今や社会保険料、学費、物価、すべてが上がっていて、贅沢をせずとも若者の生活は苦しい。時に『若いんだから働けば』という声が聞かれるが、現状を理解していない発言に思えます」

吉川氏によれば貧困に陥った若者の家庭は、虐待やネグレクト、家族間の対立によるストレスを恒常的に抱える「機能不全家庭」であるケースが多いという。

「貧困を脱出するためには、教育などの『知的資本』、学歴や文化的素養の『文化資本』、社会的交流など『社会資本』が不可欠ですが、機能不全家庭ではこれらの資本を持つ親族がおらず、実質的に貧困から脱するのは不可能と言われている。一度陥ると個人の努力ではどうにもならない『貧困の悪循環』が生まれるのです」

【作家 吉川ばんび氏】
1991年生まれ。貧困や家庭問題などをテーマに取材・論考。著書に『機能不全家庭で死にかけた私が生還するまで』(晶文社)など
取材・文/週刊SPA!編集部

―[[親ガチャ貧困]の実態]―

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