「手の込んだ料理」が気軽に楽しめる一方で…キッチンカーに感じる“衛生面”という不安要素
日刊SPA! / 2024年8月25日 8時51分
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外食産業専門コンサルタントの永田ラッパと申します。「日刊SPA!」では、これまで30年間のコンサルタント実績をもとに、独自の視点から「食にまつわる話題」を分析した記事をお届けしていきたいと思います。今回のテーマは、「キッチンカー」です。
◆嗜好食であっても出店場所次第で「バズり」も起きる
イベント会場やオフィス街、商業施設などでよく見かけるキッチンカー。その業態の幅も広がっていて、ユーザーにとっては選択肢が増えて便利に、そして楽しくもあるでしょう。
食のジャンルには「実用食」「嗜好食」の2種類があります。日常的に食べたくなるもの、多くの人が手を出しやすく食べ慣れているものが実用食です。一方で日本の文化に馴染みのない、高額なものなどは嗜好食に含まれます。
もともとキッチンカーでは、このうち実用食がおもに販売されていました。たこ焼き、焼き鳥、クレープなどおなじみのものが中心でしたが、業界が飽和していくにつれ、嗜好食を取り扱うケースも増えているように思います。
嗜好食となると、それを「食べたい」と思う人、つまりターゲットとなる客層はニッチなものになっていきます。しかし、それでもビジネスとして成立するのは、固定の店舗と違ってキッチンカーは出店場所を選べる強みがあるからです。出店場所さえ間違えなければ嗜好食であっても商品は売れます。ハマッてしまえば「バズり」も起きるのです。
◆キッチンカーは出店場所確保が最大のカギ
キッチンカーを運営する事業者にとって出店場所開発は重要なポイントになります。1カ所だけ確保して安心するような事業者は長続きしないでしょう。やはり数カ所、できれば10カ所ほどは確保しておかなくてはなりません。最近は出店場所のマッチングサイトなどもあり、この点はやりやすくなっているようです。
週末などは商業施設内に確保できればいいでしょう。そして土曜日と日曜日で別の場所、それも隔週で出店するほうがユーザーにとっての価値は上がっていきます。平日でも昼と夜で出店場所を変えて、バリエーションを豊かにしていくべきでしょう。同じ場所に同じ店が出て、同じものを売っているだけだと「だったら商店街のテイクアウト店でいいよね」「普通に飲食店で食べればいいじゃない」といった心理が働き、ユーザーにとっての価値は下がってしまいます。
出店場所を複数確保しつつ、さらに新しい場所も開発し続けることが必要で、これはかなり根気のいる作業です。
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