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五輪、W杯、WBC…相次ぐスポーツイベントの開催でアシックスとミズノが描いた“V字回復”の軌道

日刊SPA! / 2024年8月31日 8時52分

 ちなみに海外売上高比率はアシックスが84%であるのに対し、ミズノは38%です。そのため企業規模ではアシックスが上ですが、国内の売上はミズノが上回ります。

◆「海外売上の伸びが著しい」アシックス

 それでは近年の業績推移を見ていきましょう。2019年12月期から23年12月期におけるアシックスの業績は次の通りです。全社業績の他、地域別の売上高も記載しています。

【株式会社アシックス(2019年12月期~2023年12月期)】
売上高:3,781億円→3,288億円→4,041億円→4,846億円→5,705億円
営業利益:106億円→▲40億円→219億円→340億円→542億円

売上高-日本地域:1,210億円→944億円→1,099億円→1,234億円→1,358億円
売上高-北米地域:790億円→654億円→862億円→1,053億円→1,146億円
売上高-欧州地域:956億円→873億円→1,066億円→1,301億円→1,480億円

 全体的な傾向として、2020年度は一時的に減少したものの、その後に回復するような動きとなっています。特に自粛ムードの激しい20年度は各種スポーツイベントの自粛のほか、アシックス製品を扱う商業施設の休業が減収要因となりました。しかし、スポーツ市場自体は国内外で拡大傾向にあり、感染リスクの小さいレジャーとしてランニングが注目されたことも、その後の業績を牽引しました。後述の通り度重なるスポーツイベントも押上げ要因になったとみられます。また、昨今の円安も海外売上高を増幅しました。

◆「スポーツイベントに牽引された」ミズノ

 同様にミズノも業績が拡大しました。2020年3月期から24年3月期の業績は次の通りです。

【ミズノ株式会社(2020年3月期~2024年3月期)】
売上高:1,697億円→1,504億円→1,727億円→2,120億円→2,297億円
営業利益:62.6億円→38.1億円→98.7億円→129.5億円→172.8億円

 21年3月期はアシックスと同じようにスポーツイベントの自粛や商業施設の休業が悪化要因となりました。しかし、その後すぐに業績は回復し、23年3月期以降は売上高が2,000億円を上回っています。国際的なスポーツイベントが重なったことも影響しているでしょう。2021年夏には1年遅れで東京オリンピックが開催され、22年の冬にはFIFAワールドカップ、23年3月には野球のWBCが開催されました。アシックスのように海外売上高は大きくありませんが、こうしたイベントが国内の売上を伸ばしたとみられます。

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