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4軒連続で“事故物件”に住む女性が「先入観にとらわれるあやうさを実感した」出来事

日刊SPA! / 2024年9月7日 15時54分

◆没入感を生む作り込みにこだわる

――お化け屋敷の企画制作は、クリエイティブな能力をかなり要求されると思いますが、この仕事の大変さは、どんなところにありますか?

Coco:仕事の依頼は、私の活動をSNSで知ったり、知り合いのツテからくることが多いのですが、どの案件もそれぞれ違った苦労はあります。

 例えば、赤れんがのお化け屋敷ですと、ストーリーの中身から設営に至るまで、本来の赤れんがのイメージを損なってしまうものは避けなくてはいけません。先方の担当者に、何がNGで、何がOKかをヒアリングして、それをふまえて提案していきます。また、京都オカルト商会のメンバーは3人ですが、他のスタッフとの内部の意見調整もあります。

 あとは、お化け屋敷に来られるお客様が、いかに怖がってもらうかの仕掛けの工夫も大変です。私の手掛けるお化け屋敷は、没入感を大切にしています。そのため、世界観の作りこみはしっかり行い、お客様には入場前に、ストーリーがわかるイントロビデオを5分ぐらい見ていただきます。そうすると、没入しやすくなって、より恐さを楽しめます。

 昔のお化け屋敷は、機械仕掛けの部分が多かったのです。ですが最近のは、アクターと呼ばれる人がお化けを演じるものが増えています。私も、アクターが重要な要素だと思っています。機械だと、相手を驚かせるタイミングを外すことがあったりするので、大変ではありますが、プロのアフターさんを起用するようにしています。

◆年中無休でホラーに浸るため事故物件に住む

――お化け屋敷は夏だけの季節限定というイメージですが、その職業だけで生活していけるかんじですか?

Coco:はい。収入的には、おおむねお化け屋敷の企画制作でまかなえています。ただ、どうしても閑散期はあって、そのときは怪談や心霊スポットに関する本を書いたりしています。そうした仕事以外でも、24時間年中無休でホラーに浸っていたくて、事故物件に住み始めて、今4軒目です。

 一人暮らしで、ペットの猫がいますが、ほかにお化け屋敷で使ったお化けが7体ぐらいいて、玄関開けたらそこにお化けがいます。でも、事故物件でも、なかなか本物のお化けにはめぐりあえないですね……。

 2軒前の事故物件での話をしましょう。ある日、流し台に水をためた鍋を置いていました。見ると、なぜか水が揺れているのです。事故物件だから、「もしかして霊現象?」と思いがちになりますが、冷静に考えました。それで気づいたのですが、流し台の裏に洗濯機があって、そのとき脱水で回っていたのです。その振動が、鍋の水に伝わっていたのだと分かりました。先入観にとらわれるあやうさを実感しました。

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