タイに移住した50代男性が明かす、悠々自適な生活「日本に帰るつもりはない」満員電車のストレスもナシ
日刊SPA! / 2024年9月8日 8時54分
篠崎貴弘さん(仮名)
日本人のリタイア後の移住先として人気のタイ。しかし、以前と比べると物価は上昇しており、首都・バンコクの家賃は場所によっては東京よりも高いと言われている。“安く暮らしたい”と移住の夢を叶えたものの、生活に苦しむ人も少なくない。
もはや昔のように海外移住&リタイアは、夢のまた夢なのだろうか……。
そのような状況においてタイで生活していくために、日本である程度のキャリアを積んでから退職し、スキルを活かして日系企業で“現地採用”として働くという方法がある。
今回は、妻と共に9年前からタイのビーチリゾートであるパタヤに移住し、リタイアを目指して生活を送る篠崎貴弘さん(仮名・50歳)に話を聞いた。
◆タイの“現地採用”で働きながら夢のリタイア生活を目指す
篠崎さんはタイのパタヤに住みながら、隣接するラヨーン県で日系製造メーカーのSEとして働いている。同僚の駐在員たちは、日本人街として知られるシラチャの社宅で暮らしているが、篠崎さんがパタヤへの移住を考え始めたきっかけは何だったのだろうか。
「日本で働いていた頃は大手製造メーカーで管理職をしていました。その際に、会社の海外工場の立ち上げのため、パタヤがあるチョンブリー県に1ヶ月間、出向することになりました。そのときに、温暖な気候や物価の安さ、タイ人の親しみやすさに触れ、漠然と『タイに住んでみたい』と考えるようになったのです」
ただし、当時まだ33歳だった篠崎さんには、タイに移住するための十分な資金がなかった。日本人がタイに移住する方法としては、起業するか、現地採用として働くしかない。しかし、現地採用の給料は最低でも5万バーツ(当時のレートで約17万円程度)からのスタートであった。当時の篠崎さんのキャリアでは、現地採用として働いても、妻と二人で生活するには十分な収入ではなかった。
「そこで、自分のキャリアを伸ばしてから、タイの企業で働こうと考えたんです。そう決めてからは、まずタイでの転職を実現するために語学の勉強をしました。2年間、独学で英語を必死に勉強した結果、TOEICのスコアは280点から600点台まで上げることができました。
最初はバンコクでの就職も考えていました。製造業に入る前はIT企業に勤務していたのですが、バンコクには自分のスキルを活かせる企業が見つからなかったんです。そこで、ITスキルを活かせる工場勤務も視野に入れてエリアを広げたところ、日系企業の現地採用としての入社が決まりました」
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